2021年5月15日       

令和3年5月臨時会 質疑


1 本県におけるPCR検査の実施について
(1)若い世代への受検環境の充実について
(2)PCR検査と抗原検査の併用による検査体制の強化について

2 感染症拡大防止協力支援金について
(1)制度内容の理解促進等について
(2)時短等要請の影響を含む女性の貧困問題の実態把握について
(3)飲食店等の感染防止対策の徹底について

おわりに





【はじめに】
 皆様、こんにちは。
 公明党広島県議会議員団の日下美香でございます。
 新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方には、心よりお悔やみ申し上げますとともに、治療中の方には一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
 このたびの臨時会における、県の各種コロナ対策に関し、地域の事業者や住民の方から様々なご意見を伺いましたので、本日は、こうした県民の皆様の声を踏まえ会派を代表し、質問させていただきます。
 明快な答弁をお願いして、早速質問に入らせていただきます。




1 本県におけるPCR検査の実施について
(1)若い世代への受検環境の充実について

【質問】
 最初に、本県におけるPCR検査の実施について、2点お伺いします。
 1点目は、若い世代への受検環境の充実についてです。
 本県では、5月12日にコロナ感染者数が過去最多となり、初めて200人を超えました。政府は昨日、本県を「緊急事態措置」の対象地域に指定し、県の感染状況の判断も、切迫度が最も高いステージ4に引き上げられました。連日感染者が増え続ける状況に、県民はこれまでにない不安を感じています。
 このたびの補正予算においては、薬局を通じたPCR検査体制の強化と、県内全域の飲食店等への営業時間の短縮等要請が大きな柱として提案されていますが、「積極的な検査と感染者の隔離は感染対策の原則」と県医師会の会長も言われているように、ワクチン接種が行きわたるまでの策として有用だと認識しています。
 また、変異株へと置き替わるスピードも速くなっており、従来、かかりにくいとされてきた若い世代への罹患が多くなっていることを大変心配しています。
 陽性者の年代別の分布は、20代が最も多く3割を占め、次いで10代以下、30代と、活発な世代で6割を占めているそうです。
 今回の、広島市、福山市の事業所を対象としたPCR検査の集中実施は、現役世代が対象になるという点で評価でき、期待していましたが、現在、予約の受付が停止されており、見通しの甘さを指摘せざるを得ず、対策が急がれます。
 若い世代への受検環境が課題であることは、私も委員会で再三指摘をさせていただきました。県では、大学でも検査を可能にするなど、その姿勢は評価できますが、その期間も4月23日で終わりになりました。また、最近では県内の私立学校でクラスターが起こるなど、学校関係での感染も目立ってきていると感じます。
 10代、20代の若い人の受検は、もう少し強力に促進していくべきではないかと思います。
 特に、学生などの就業していない若者については、例えば、学校単位での検査の実施や、通学で使う広島駅の南口や東広島市の駅、また、大型ショッピングモールの駐車場を借りて検査キットを渡すなど、日常の動線の中で気軽にキットを手に取ることのできる環境を作ることが大切だと思います。
 若い人には、受検することが感染拡大防止に協力することになるとのアナウンスとともに、強力なインセンティブが必要なのではないかと思います。
 そこで、本県におけるPCR検査の実施に関して、若い世代への受検環境の更なる充実に向け取り組む必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。


【知事答弁】
 本県における感染者の年代割合は,直近の4月30日から5月13日までの2週間を見ますと,20代が32.6%と最も高く,10代以下が15.8%30代が13.1%,となっており,活動が活発な世代で6割を占めております。
 本県では,これまで県内5か所のPCRセンターに加え,広島駅,県庁といった県外往来や中心部で人の往来が多い場所で検査キットを配付する場所を設けてまいりました。
 5月9日時点の直近1週間には,約3万人の方が検査に御協力をいただいており,陽性者は約300人,陽性率は1.0%と,感染者の早期発見に寄与していると考えております。
 こうした中で,5月17日からは,平日・休日を問わず日中の人通りが多く,広島市中心部の交通網が結節する本通地区に新たにPCRセンターを設置する予定であり,より一層若者が受検しやすい環境となるものと期待しております。
 また,若者の多くが働いていることから,広島市や福山市の事業所を対象としたPCR検査集中実施について,5月6日から予約を開始したところでございます。
 しかしながら,感染が急拡大する中で,薬局でのPCR検査の増加や医療機関における有症状者を対象とした検査の需要が大きく増加することなどにより,PCR検査全体に負荷が生じていることから,保健所における行政検査といった優先すべき検査に支障が生じることがないよう,広島駅や福山駅などでのキットの配付及び事業所集中検査の受付を一時停止することといたしました。
 なお,これまでに受け付けた約9万人の事業所の方については,順次実施してまいります。
 事業所集中検査については,安定的な検査体制の確保を前提とし,感染が下降局面となり,新規発生を低く抑え込むべき時期を見定めた上で,再開することといたします。
 若者だけでなく,幅広い世代において感染が広まっていることから,SNSなど様々な媒体を活用しながら,それぞれの世代に届くようなメッセージも発信しながら,全県一丸となってこの難局を乗り越えてまいりたいと考えております。




(2)PCR検査と抗原検査の併用による検査体制の強化について

【質問】
 2点目は、PCR検査と抗原検査の併用による検査体制の強化についてです。
 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、PCR検査の他にも抗原検査があります。
 抗原検査は、PCR検査と比較して一般的に精度が低いと言われていますが、一方で、30分程度と短時間で結果が出るため、患者や医療機関の負担軽減が期待されます。
 無症状者に対する抗原定性検査は、確定診断として用いることは推奨されておりませんが、国等が示す指針においては、「感染拡大地域の医療機関や高齢者施設等において幅広く検査を実施する際にスクリーニングに使用することは可能」とされているところであり、医療機関など、徹底した感染予防策を継続しているなどの条件下であれば、無症状者に対する抗原簡易キットの使用は可能との見解が示されています。
 また、政府においては、早期に陽性者を発見することによって感染拡大を防止する観点から、医療機関や高齢者施設の従事者等を想定し、今月中旬を目途に抗原簡易キットを最大800万回分確保するとのことです。
 検査結果が早く出ることで、迅速・スムーズな診断・治療にもつながるため、今後、県としても抗原簡易キットの有効な活用方法を検討していただきたいと思います。
 そこで、今後、PCR検査に加え、抗原検査のメリットを生かして適切に活用することにより、検査体制の更なる強化を図る必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。


【知事答弁】
 抗原定性検査につきましては,唾液を用いたPCR検査に対して,鼻腔からの採取が必要となることから,検査の際,防護服やフェイスシールドの着用が必要となりますが,短時間で検査結果が得られること,また,特殊な検査機器が不要なことや検査に必要なコストが低いことなどから,PCR検査と併用した効率的・効果的な活用が有効であると認識しております。
 県におきましては,これまで,高齢者施設等の入所者のうち,発熱等の症状を有する方を対象として抗原定性検査を用いて,効率的・効果的な検査を進めてまいりました。
 引き続き,感染の急拡大に歯止めをかけ,県民の皆様が,少しでも早く日常を取り戻せるよう,効率的・効果的な検査体制の整備に取り組んでまいります。




2 感染症拡大防止協力支援金について
(1)制度内容の理解促進等について


【質問】
 次に、感染症拡大防止協力支援金について、3点お伺いします。
 1点目は、制度内容の理解促進等についてです。
 このたびの支援策は、広く県内全域の飲食店や大規模施設を対象とした時短等要請であり、予算も専決分を含め600億円以上と莫大な額となっています。感染拡大を何としても食い止めるという、知事の決意と覚悟を感じますが、今後、県民の期待に応え、目に見える効果を出していく必要があると考えます。
 さて、今回の制度設計については、従前の内容から改善が図られていると感じており、特に、支援金が企業の規模や売上高に応じた支給額になっていることについては評価したいと思います。
 しかし、本県が「緊急事態措置」の対象地域となる前と後で制度が変わったため、流川や薬研堀など一部の地域では、事業者に混乱が生じたまま走り出す恐れがあると考えます。国との急なやり取りがあったことは理解しますが、事業者にとって、時短、休業の判断はまさに死活問題です。明確な制度設計を早急に行い、徹底したアナウンスをすることが必須と考えます。
 また、今回の支援策は、昨年度から数えて5回目となりますが、現場の店主からは、申請のたびに何度も同じ書類を出さなくてはいけないといった不満の声が出ています。例えば営業許可証など、明らかに前回の書類で分かるものは、割愛して簡素化して欲しいとのことです。
 一方で、公的に協力支援金を支払うとなれば、当然ながら、適正な納税など法令を遵守している飲食事業者が対象になるべきであり、そういった面で不公平を感じている事業者は多いと伺っています。
 申請書類から全てを判断するのは難しいとは思いますが、飲食店同士の不公平感を改善することができるよう、制度設計には配慮いただきたいと思います。
 そこで、感染症拡大防止協力支援金の制度内容については、丁寧かつ具体的に県の考え方を説明し、特に目的、狙いやそれに応じた制度設計について理解促進を図る必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。また、飲食事業者の様々な声を踏まえ、必要に応じ、不公平感の解消や不正防止のための制度改善、また事務手続きの簡素化を図る必要があると考えますが、併せてお伺いいたします。


【商工労働局長答弁】
 感染症拡大防止協力支援金につきましては,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的に,感染事例が多数発生している飲食店を対象に時間短縮等を要請し,これに全面協力をいただける飲食事業者等を支援するものでございます。
 今回の協力支援金は,飲食事業者等の不公平感を解消する観点から,国の基準に準じて,これまでの定額支給の方式から売上高に応じて支給を行うこととしたところでございます。
 まず,広島市中心部の特定エリアを対象とした支援金につきましては,「広島積極ガード店」や,「新型コロナウイルス感染症対策取組宣言店」であることを申請の必須条件とすることに加え,PCR検査の受検の有無により支給単価に差を設けるなど,感染拡大防止策の取組を促進する観点から県独自のインセンティブを加えた制度設計を行ったところであり,こうした制度の趣旨についても,ご理解いただけるよう,しっかりと広報し,周知を図っているところでございます。
 さらに,
・不正防止のための制度改善として,個別店舗の実施状況確認のための見回り調査を実施するほか,
・事務手続きの簡素化として,申請額を算定する自動計算シートの作成を新たに行うこととしたところでございます。
 また,昨日,緊急事態宣言の実施区域となったことを受け,新たに制度設計する協力支援金については,対象を県内全域とし,
・酒類を提供する飲食店については原則,休業を要請し,休業しない場合は,酒類を提供しないことと午前5時から20時までの間の時短営業を要請
・その他の飲食店については同様の時短営業を要請することを基本に,国の基準に準じて支給することとしており,申請手続きに混乱が生じないよう,事業者に対して制度内容をしっかりと周知してまいります。
 今後とも,ご協力をいただく飲食事業者等の皆様のご意見等も伺いながら,可能な限り,この制度が円滑に運用できるよう努めて参ります。




(2)時短等要請の影響を含む女性の貧困問題の実態把握について

【質問】
 2点目は、時短等要請の影響を含む女性の貧困問題の実態把握についてです。
 このたびの飲食業界への時短や休業要請を受け、そこで働く従業員、特に女性へのしわ寄せが大きくなっていると感じています。
 大変なのは女性だけではないという声があるのも承知していますが、15歳から64歳の女性の就業率は71%、そのうちの52%は非正規雇用であり、実に男性の3倍以上になっています。
 特にサービス業に従事していた若い女性やシングルマザーの困窮は大きなものがあり、他に仕事をしたくても仕事もなく、途方にくれる人も少なくありません。
 コロナによる女性の雇用や生活への影響は、昨年から深刻さを増しています。寄り添った支援が必要にも関わらず、支援が届いていない女性が多くいます。
 その生活への困難さから、若い人の5人に1人が生理用品の購入に苦労したとの調査結果があると伺い、大きな衝撃を受けました。
 こういった「女性の貧困」とも言うべき現実には目を背けずに、行政として真摯に向き合ってほしいと思います。
 コロナ禍の中、国もこうした現実を考慮し、「地域女性活躍推進交付金」に追加措置を行い、孤独・孤立で不安を抱える女性が社会との絆・つながりを回復することができるよう、NPO等の知見を活用したきめ細かい支援を「つながりサポート型」として提案しています。
 女性の活躍を推進する県として、こうした寄り添い支援やつながりサポートにも是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、新型コロナの影響で、特に苦境に立たされている女性の貧困問題について、飲食店等への営業時間の短縮等要請の影響も含め、女性達に一体何が起きており、どのような支援が必要なのか、しっかりと実態を把握し、きめ細かく対応すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。


【知事答弁】
 新型コロナウイルス感染拡大の影響により,全国の生活保護の新規申請件数は,昨年9月から前年同月を上回って推移しておりますが,これは,いわゆる不安定就労の方が職を失ったことが,その主たる要因とされております。
 本県におきましても,こうした傾向は,昨年11月から同様に現れており,不安定就労の一つである非正規雇用が,女性に多いという実態に鑑みますと,その生活にも深刻な影響が出ているものと推察しております。
 各市町に設置されております相談窓口におきましては,今回の感染拡大の影響も含め,生活困窮などの相談が増加しており,その中には,派遣労働者やパートタイマーの労働時間の短縮によって,収入が減少したとの相談も多く寄せられていると聞いております。
 こうしたケースにつきましては,それぞれの相談窓口において,各種貸付制度や生活困窮者自立支援制度,更には生活保護制度を活用して,自立に向けた支援を行っているところでございますが,引き続き,その実態や要因を丁寧に把握分析し,状況に即した対策を検討していく必要があると考えております。
 一方,自ら相談に訪れず,支援につながりにくい方についても,関係機関やNPOなどが,アウトリーチなどにより把握した情報を共有し,適切な支援につなげているところでございます。
 県といたしましては,こうしたNPOや市町としっかり連携し,経済的課題を抱えた女性はもとより,今回の感染拡大の影響により生活課題を抱えたすべての方々に対して適切な支援が届けられる体制の構築に取り組んでまいります。




(3)飲食店等の感染防止対策の徹底について

【質問】
 3点目は、飲食店等の感染防止対策の徹底についてです。
 このたびの感染症拡大防止協力支援金については、支給要件として、「広島積極ガード店」、「新型コロナウイルス感染症対策取組宣言店」を必須とする、とあります。
 「取組宣言店」については、店が自分で対策していると宣言しているものであり、「広島積極ガード店」については、各業界のガイドラインを遵守し、県または県から委託された者が訪問調査をするとして、第三者の目が入ることになっています。しかし、これら対象の店に客として行って感じるのは、形だけの店が多いということです。
 また、「広島積極ガード店」の条件として、事前通告なしの訪問調査に協力するとありますが、店の都合に関わらず訪問されることへの拒否感も強く、店側も不満が残り、お客も不安を抱えるという、どちらにとってもメリットが少ない取組ではないかと感じています。
 先の質疑でも話題に出ましたが、国は、4月30日付けで出した事務連絡で、「すでに一部の自治体で導入され、成果を上げている第三者認証制度を参考に、制度を導入することが必要」とし、都道府県に対して速やかに着手することを求めています。
 山梨県ですでに実施され、効果を上げているとされる「山梨モデル」は、県が独自の厳しい基準とその認証の仕組みを作り、「やまなしグリーン・ゾーン認証施設」として認証マークを交付しています。
 店舗や施設の自己申告だけでなく、県が事前に現地を確認した上で、県として感染予防策を認証するという点で、広島県の取組と一線を画していると感じます。
 第三者がチェックに入る仕組みは「広島積極ガード店」と同じにしても、厳しい基準をクリアし、それを県が認めているという店側の自信は、お客への安心感につながると思います。
 そこで、このたびの協力支援金の取組を契機に、本県においても、「新型コロナ感染症対策取組宣言店」と「広島積極ガード店」の2つの取組をアップデートして、国が求める「山梨モデル」に足並みを揃えるなどし、厳しい認証制度のもと、感染防止対策を徹底していくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。


【知事答弁】
 昨年の4月16日に全都道府県を対象に緊急事態宣言が発令され,広島県においても5月14日までの間,飲食店等を対象に,営業時間短縮への御協力を要請したところでございます。
 その後,飲食店において感染が拡がることがないように,飲食店が自ら行う感染防止対策を支援する目的で,取組宣言店,積極ガード店の登録制度を設け,現在は,9,526店舗に登録いただいております。
 取組宣言店,積極ガード店はいずれも自己認証の制度ではございますが,各店舗が宣言した感染予防対策を的確に実施しているか,店舗の見回りを行い,取組状況をチェックし,必要に応じて対策の実施を求めてきたところでございます。
 こうした感染防止対策の実効性を上げ,かつ,飲食店における感染防止対策を徹底していくためには,明確な基準を設け,公の目で審査し,認証する第三者制度の導入は有効な手段と考えております。
 先進県である山梨県や鳥取県などの取組についても研究し,専門家の意見も伺いながら,導入について検討してまいります。




【おわりに】
 最後に一言申し上げます。
 本県においては、感染者数が急増しており、危機的状況に直面しつつあります。
 こうした中、コロナワクチンの接種が医療従事者や高齢者を対象に開始されており、感染収束の「切り札」として期待されていますが、本県でも接種の予約枠がすぐに埋まるなどの事案が生じており、不安を感じている県民も多い状況です。
 今後、ワクチン供給が本格化していく中で、円滑かつ迅速に接種が進むよう、万全の準備が必要と考えます。
 県におかれましては、大人数でも対応可能な接種会場の設置や、ワクチン接種を担う医療人材の確保、各市町の接種体制の整備に向けた課題把握と支援などについても、県民の皆様の命と暮らしを守るため、全力で取り組んでいただくよう要望して質問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。