2019年11月22日       

令和元年11月 決算特別委員会 総括質問

1 女性の能力を最大限に発揮できる環境整備について

2 働く女性のネットワークの形成と連携について

3 「性被害ワンストップセンターひろしま」の充実について

4 地域福祉支援計画の策定について







1 女性の能力を最大限に発揮できる環境整備について

【質問】
 広島県では、平成28年度より、「働き方改革推進・働く女性応援会議ひろしま」として、官民一体となって、「女性の働きやすさ日本一」を目指しています。25歳から44歳の女性の就業率は7割を超え、出産・育児期の女性の離職により就業率が落ち込む、いわゆるM字カーブについては底が浅くなってきており、改善は続いているものの、解消には至っておらず、仕事と子育ての両立への負担がいぜんとして女性の就業継続の課題となっています。複合的な要因があると思いますが、その大きな要因のひとつに子育てを担う夫婦の役割や環境があると思います。まずは男性の育児休業取得への社会のまなざしの厳しさです。
 2011年に知事の育児休暇宣言について賛否両論が寄せられ、話題になりました。予算特別委員会で男性の育児休業について質問した際、知事御自身の体験を通して「男性が育児に携わることはあまり重要ではないといった価値観が根強く残っていることを実感した」とする一方で、「私の育児休暇宣言や行動が、男性の育児に対する議論を呼んだということは、結果的に大変良かった。」とコメントしておられました。知事の育児休暇宣言は、私たちが「暗黙の前提」としていた「常識」を捉え直すことにつながったと思いますし、これから、人口減少社会を豊かに生きる知恵は分け合うこと「シェア」していくことではないかと、思います。
 又、女性が働き続けられる環境には社会の様々な場面での意識変革が必要です。男性トイレに子どものイスを設置するなど、お父さんと子どもが一緒に外出した時に不便を感じないように、環境を整備して、見える化していく取り組みも、意識を変えていく上で重要なモチベーションになります。
  ただ、大変残念なことには、夫婦で子育てをシェアしたい、楽しみたいと思っている若い人たちの意識と社会や制度、企業の意識の差が、まだまだ大きく、広島県の未来チャレンジビジョンにおいても、男性の育児休業取得率は8.7%と目標に達していない実態があります。
 女性の就業継続のため、男性の家事や育児は欠かせませんが、男性のほうが収入が高い場合、女性だけが育休や時短勤務をとる傾向は変わらず、結果として女性の管理職が少ないということは、否めません。
 未来チャレンジビジョンの事業所における指導的立場に占める女性の割合も、19.3%と未達成です。県庁に目を転じると、女性の採用は4割と近年は多くなっているものの地方公務員の管理職への女性登用者は広島県においては課長以上の割合が全国で47位の最下位という結果は、大変残念です。
  広島県としても事業所における男性の育児休業取得率や指導的立場に占める女性の割合、更には広島県の管理職への女性登用においては、リーダーシップを発揮して、積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、知事の認識を伺います。

【知事 答弁】
 様々な職場におきまして、働くことを希望する女性の活躍が進むことは、女性がその能力を十分に発揮し、自己実現を可能とすることはもとより、社会の多様性と活力を高め、企業や地域経済が成長を続けるためにも、極めて重要であると認識しております。
 女性が就業を継続し、指導的立場に立ってその能力を発揮するためには、男性の家事や育児への協力が不可欠ですが、本県における男性の育児休業取得率は、上昇傾向にあるものの、御指摘のとおり、目標に比べると低い数値となっております。
 この状況を改善するためには、男性が積極的に育児に関わることができるよう、男女の固定的な役割分担意識を払しょくし、男性が遠慮することなく育児休業を取得できる職場環境の整備を進めていく必要があると考えております。
 また、本県の事業所における指導的地位に占める女性の割合につきましては、近年伸び悩んでいる状況でございます。その原因といたしましては、現状において、
・企業の中で女性の人材育成が十分なされていないこと、
・女性自身の管理職への昇任意欲が高まっていないことなど
が主な課題であると考えております。このため、男性が育児休業を取得できる環境の整備に向けましては、
・男性育児休業等促進企業の登録制度や
・男性の育児休業に対する奨励金の支給に加えまして、
・「イクボス同盟ひろしま」の活動促進や
・「ファザーリング全国フォーラム」などの大規模イベントの実施による
社会の機運醸成などに努めてまいりました。
 また、企業における女性人材の育成・登用や、女性のモチベーション向上に向けましては、
・企業経営者等を対象とするセミナーの開催や
・アドバイザー派遣による女性登用計画の作成支援、さらには、
・女性のキャリアアップに向けた研修や
・ネットワーク形式を支援する交流会などに取り組んでまいりました。
 さらに、今年度は、内閣府との共催による女性役員育成研修の実施にも取り組んでいるところであり、今後とも、様々な機会をとらえて、「働き方改革推進・働く女性応援会議ひろしま」の構成団体や県内外の関係団体と連携することにより、女性が活躍しやすい環境の整備と社会全体の意識改革をけん引してまいりたいと考えております。
 また、県庁における女性職員の管理職登用につきましては、「女性職員の活躍推進プログラム」におきまして、来年4月までに女性登用率を13%とする目標を掲げまして、計画的に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、
・男性職員の育児参画の推進を目的とした「パパのための子育てハンドブック」の作成や
・管理職員のマネジメント力の向上を目指した「イクボス研修」の実施
・女性職員のキャリア形成を支援する「キャリアデザインセミナー」の開催
などを実施しているところでありまして、引き続き、目標達成に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。
 わたくし自身はイクボスとして、部下のキャリアと人生を応援すること、そして、県内にイクボスを増やすことを宣言しておりますので、今後も、県庁内での取組を促進するとともに、県内企業をはじめ、社会全体への働きかけについて、積極的に努めてまいりたいと考えております。




2 働く女性のネットワークの形成と連携について

【質問】
 働く女性のネットワークを事業化して、商工労働局で取り組んでいます。まだまだ女性管理職のロールモデルが少ない中で、異業種でのこうしたネットワークづくりは、今後、自分自身が働き続ける中でヒントになったり、励まされたり、勇気づけられていくのではないかと思います。
 そこで、まず、研修参加者や企業内で頑張っておられる女性を中心としたネットワーク事業の現状と課題について伺いたいと思います。
 また、今後はせっかくできたネットワークを一過性のものにせず、女性の活動の拠点機能として、女性総合センター(エソール)と連携して継続していってはどうかと思いますが、併せて商工労働局長の見解を伺います。

【商工労働局長答弁】
 働く女性のネットワーク形成につきましては、女性管理職と働く女性が企業の枠を超えて交流するネットワークを構築することで、刺激しあえる仲間を作って、キャリアアップの意欲喚起を図ることを目的に、平成30年度から女性活躍ネットワーク交流会を実施しております。
 昨年度は、広島市及び福山市において、女性管理職と働く女性との交流会を各1回開催し、100人以上の方に参加をいただきました。
 交流会に参加された方からは、「他企業の働く女性と交流することで、良い刺激をもらった」といった感想を多くいただいており、キャリアアップに向けた意欲の向上等への効果が期待できるものと考えております。
 一方で、交流会後の状況を見ますと、自主的に繋がりを深めている事例は多くないことから、交流会後の自主的なネットワーク活動の活性化と継続が課題であると認識しております。
 このため、今年度の交流会につきましては、参加者の拡大に向け、エソール広島等と共催するとともに、実施回数を増やし、同一参加者が複数の交流会に継続的に参加できるようにした他、SNSを活用して交流会後も参加者同士が容易に連絡し合えるツールを作成するなど、自主的なネットワーク活動の活性化に向けた取組の強化を図ったところでございます。
 今後ともエソール広島等との関係団体とも連携しながら、ネットワーク活動が拡大・継続し、働く女性の皆様のキャリアアップ意欲向上に資するよう取り組んでまいりたいと考えております。

【要望】
 女性が管理職になる年齢は40代、50代が多く、この年齢は女性ホルモンの変動により不調を感じる方も多いようです。個人差はあるものの、こうした更年期は男性にもあるようです。しかし、特に女性は心身共に様々な体調の変化を実感し、それが昇進への意欲のブレーキとなる場合もあります。女性自身はもちろんですが、上司も含めて、女性の健康に理解を深めていけるよう、あらゆる機会を通して啓発して頂きたいことも要望したいと思います。




3 「性被害ワンストップセンターひろしま」の充実について

【質問】
 性暴力被害者の相談や支援を担う「性被害ワンストップセンターひろしま」で、スタッフが被害者に医療機関を紹介して付き添ったり、警察や弁護士との相談に同行する専門支援の回数が、平成29年度から30年度で2倍に増えました。
 近年、薬を使った「レイプドラッグ」も増えており、大変、深刻な相談が多いと聞きます。又、法務省の直近の調査では、事件を届け出る人は約14%との結果もあり、潜在的な被害者の多さを示しています。警察や医療機関などを1人で訪れることに不安を抱く被害者は多く、センターの支援は今後ますます必要とされると思います。
 県民に対するセンターの周知は、主に女性の個室トイレに貼るシールや、コンビニなどに置かれたリーフレット、県のホームページによって行われていますが、被害の多い若い女性が利用する映画館などにも協力をお願いするなど、一層の周知に努力していただきたいと思います。
 また、インターネットのサイトは、県のホームページ上で大量のコンテンツの一つとして情報提供されており、性被害とは関係のない情報も表示されるなど、相談者にとっては、まぎらわしく感じるのではないかと思います。
 近年は深刻な相談も増えており、性暴力被害に詳しい医師や弁護士につないで、安心して支援を受けていただくためにも、スピード感をもって、常に被害者目線で取り組んでいく必要があると考えています。
 今後は、 ホームページの探しやすさ、わかりやすさを含めて、外国語での対応といった、情報発信が必要ではないでしょうか。
 また、若年者にとっては、電話よりメールの方がなじみがあって、使いやすいと言われており、ウェブで相談日の申し込みができるようにしていくべきではないでしょうか。
 以上2点について、環境県民局長に伺います。  

【環境県民局長答弁】
 性被害にあわれた方が、安心して相談できる環境を整えていくためには、相談窓口の存在を、被害者だけではなく広く県民に認知してもらうことが必要と考えております。
 そのため、平成28年8月に「性被害ワンストップセンターひろしま」を開設して以降、協力が得られた学校や、コンビニエンスストアなどの店舗等にリーフレットを置いたり、女性用トイレにシールを貼るなどして、相談窓口の周知を図っているところでございますが、今後、さらに、映画館等の娯楽施設やファミリーレストランといった飲食店などにも協力を求めてまいりたいと考えております。
 また、県のホームページにおいても、センターのページを設けて、相談窓口の周知を図るとともに、センターにおける支援内容などについての情報発信を行っております。
 しかしながら、同一画面に、被害者への支援とは関係のない県のコンテンツなども表示されるため、被害者の心情にも配慮し、必要な情報のみが表示されるよう見直しを進めているところでございます。
 更に、この見直しに合わせて、近年、県内に在留される外国人が増加している状況を踏まえ、掲載している内容を外国語で表示し、情報発信していくことも検討してまいりたいと考えております。
 次に、ウェブによる相談日の申し込みについてでございますが、性被害者は、精神的にも深く傷付いている場合が多く、被害者の負担を軽減するために、匿名での相談を受け付けたり、被害者が希望する場所での面談を行うなどの配慮をしているところでございます。
 こうした中で、ウェブ上で相談日の申し込みができるようにすることは、被害の潜在化を防ぐ観点からも、有効な手段と考えられ、導入に向けた検討を行ってまいります。




4 地域福祉支援計画の策定について

【質問】
 少子高齢化が進む中、経済的困窮や社会的孤立の状況にある方々を、地域で支えていくための仕組みを作っていくことが、大きな課題となっており、県では、地域福祉支援計画を策定中です。
 こうした中、国は再犯防止推進法において、犯罪をした人が、円滑に、社会の一員として復帰できるよう、都道府県に対して、地方再犯防止推進計画を策定するように求めています。
 再犯を防ぐためには、犯罪をした人が、貧困や疾病、障害などの生きづらさを抱えて孤立しないように地域社会における「息の長い」、「誰一人取り残さない」社会の実現に向けた取り組みが欠かせません。
 現在策定中の地域福祉支援計画は、難病や引きこもりなど、様々な生きづらさを抱える人たちが、地域の支え合いによって、共に生きていく社会を実現していくための計画だと承知していますが、生きづらさを抱えているという意味においては、犯罪をしてしまった人も、同じではないでしょうか。
 再犯防止推進法の趣旨も鑑み、すでに罪を償い、真剣に立ち直ろうとしている人を他の生きづらさを抱える人たちと区別することなく支援する内容を、地域福祉支援計画に盛り込んで、策定すべきと考えますが、健康福祉局長の見解を伺います。

【健康福祉局長答弁】
 本県では、生きづらさを抱える人、困りごとを抱える人など、全ての人が社会的に孤立することなく、お互いに支え合い、排除されない社会を目指して、地域福祉支援計画の策定を進めており、罪を犯したものの、真剣に立ち直り、社会に復帰しようとしている人も対象としております。
 計画には、施策の一つとして、共に支え合う地域づくりの推進を掲げ、この中で、そのような方々が、地域で孤立することなく、安心して、自立した生活を営むことができるよう、地域住民の理解や協力の促進、住居の確保や生活に必要な福祉サービスにつなげるための体制の整備などについて、県社会福祉士会に業務委託をしております地域生活定着支援センターと、市町や刑事司法機関が連携した取組も盛り込むこととしております。
 こうした取組を推進することによって、県民誰もが、人権と多様性を認め合い、支え合いながら、自分らしく活躍ができる地域共生社会の実現を目指してまいります。

【要望】
 全ての人が安心して、自分らしく生きていける社会は、全ての人の尊厳を保証する平和構築につながると信じます。
 そのために最も声をあげにくく生きづらさを抱える人たちの声に耳を傾けて頂きたいことを要望し、質問を終わります。