2016年2月23日       

平成28年2月定例会 本会議 答弁

1 県民一人ひとりが活躍できる社会に向けた県政運営について

2 男女共同参画基本計画の策定について

(1) 男女共同参画の視点を踏まえた県の施策について

(2) 女性が活躍できる環境整備について

(3) ひとり親への総合的な支援について

(4) 配偶者からの暴力の防止基本計画の次期策定について

 ア 第3次計画の策定について

 イ 学校現場におけるデートDV防止に向けた取り組みについて

(5) 性犯罪被害者等ワンストップ支援センターについて

(6) 性同一性障害への認識と対応について

 ア 学校における性同一性障害の児童生徒への認識と対応について

 イ 性同一性障害の方への相談体制について


3 若者の自殺対策について

4 有権者となる若者への意識啓発について

5 本県の教育について

(1)高等特別支援学校の設置について

(2)県立広島大学の今後の在り方について





1  県民一人ひとりが活躍できる社会に向けた県政運営について

【質問】
 昨年10月に見直しが行われたひろしま未来チャレンジビジョンでは、「仕事でチャレンジ!暮らしをエンジョイ!活気あふれる広島県」という新たなスローガンの下、仕事と家庭のいずれか一方を優先することなく、仕事と暮らしのいずれもあきらめない、「欲張りなライフスタイル」の実現を新たに目指すこととしている。
  この目指すライフスタイルが、全ての県民にとって現実感のある将来像となっているのか、今一度、考えてみる必要があるのではないかと思う。欲張るどころか、ささやかな当たり前の暮らしさえも困難な環境に置かれた人たちへの基盤づくりは最優先にされるべきであり、そうした人たちが安心して暮らせる姿があってこそ、県外からの移住を考える人からも選んでもらえる広島県になるのではないかと思う。
 そこで、県民一人ひとりが輝き、主役となることができる社会を実現するため、障害者やひとり親世帯などの社会的に困難を抱える方々に対して、どのような施策を講じることで、「欲張りなライフスタイル」に変革していこうとしているのか、知事の所見を伺う。

【知事答弁】
 「ひろしま未来チャレンジビジョン」では、「仕事でチャレンジ!暮らしをエンジョイ!活気あふれる広島県 〜仕事も暮らしも。欲張りなライフスタイルの実現〜」を目指す姿として掲げております。
 この目指す姿は、国が掲げております「一億総活躍社会」とも方向性を同じくするものであり、障害のある方やひとり親家庭など様々な状況にあっても、県民一人ひとりが、一人の個人として、仕事にも暮らしにも希望を持っていただき、その希望をかなえられる社会に近づけていくことでございます。
 このため、チャレンジビジョンの「安心な暮らしづくり」分野におきましては、「支援が必要な人が、地域で安心して生活できる環境が整っていること」を目指す姿としており、社会的に弱い立場にある方に対しましては、それぞれの実情に合わせて、自立や社会参加などに向けた支援を、機を逸することなく、重層的に実施する必要があると考えております。
 例えば、障害のある方に対しては、社会を構成する一員として、その人格と個性が尊重されるよう、経済的自立に向けた就労支援やグループホームなどの住まいの場の確保、福祉サービスを提供する施設の整備などに、市町や関係団体と一体となって取り組んでおります。
 また、ひとり親家庭に対しては、自立して安定した生活が送れるよう、職業紹介などの就労支援や貸付金などの経済的支援、子供に対する学習支援などに総合的に取り組んでおります。
 こうした現場に立脚した現実的な取り組みを着実に進めることで、県民一人ひとりの安心感が醸成され、将来の見通しが確かなものになり、誰もが希望を持ち、その能力を発揮することが、仕事と暮らしのどちらもあきらめることなく追求できる「欲張りなライフスタイル」の実現につながるものと考えております。
 今後とも、社会的に弱い立場にある方々に対して的確な支援を行い、県民一人ひとりが活躍できる社会の実現に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。




2 男女共同参画基本計画の策定について
(1)男女共同参画の視点を踏まえた県の施策について


【質問】
 昨年末、国の第4次男女共同参画基本計画が策定され、本県でも、来年度以降平成32年度までを推進期間とする次期基本計画の策定に向け、検討が進んでいる。
 男女共同参画とは、男女の人権が尊重され、社会の対等な構成員として、自らの意思に基づき社会のあらゆる分野で活動に参画できる社会、性別による差別を受けない社会を目指すという考え方であり、そのような社会の実現は、多様な人間が生きる上での基本である。国においては、昨年から女性の活躍を政策の柱の一つに挙げているが、それはあくまでも手段であり、目的は男女共同参画社会の実現であることを見据えた上で、取り組みを進めていくべきだと考える。
 今月5日、各都道府県知事あてに内閣府男女共同参画局長から出された文書では、地方公共団体の長にはリーダーシップを発揮することを求め、県には市町に対する推進体制の整備・強化に向けた働きかけや助言等の支援を行うことを求めている。
 県庁全体でも、全ての所属で意識改革をしながら、各々の施策に幅広く男女共同参画の視点を生かしていくことが極めて重要になってくると思う。
 県民一人ひとりが主役の新しいライフスタイルをつくり出すという将来像を実現していくため、男女共同参画の視点をどのように生かし、県政に取り組もうとしているのか、知事に伺う。

【知事答弁】
 本県では、「男女共同参画基本計画」を策定し、誰もがその個性と能力を十分に発揮して、あらゆる分野に参画できる社会の実現を目指し、様々な取り組みを進めているところでございます。
 現在策定中の第4次基本計画は、本県における男女共同参画を総合的に推進する指針であるとともに、市町において策定される「男女共同参画計画」の指針ともなるものでございます。
 この第4次基本計画では、「環境づくり」「人づくり」「安心づくり」の3つの基本的視点を定め、具体的な施策を推進することとしております。 主な施策といたしましては、 「環境づくり」においては、誰もがその能力を発揮し、仕事と生活の充実を図りながら働き続けることができる環境の整備を目指し、「職場における女性の活躍促進」などに取り組んでまいります。
 「人づくり」では、様々な立場にある人に、男女共同参画に対する理解を深めていただくための啓発を継続して進めてまいりたいと考えております。
  「安心づくり」では、暴力を受けられた女性や、ひとり親家庭などが、自立し安心して暮らすことができる環境の整備を目指し、DV防止対策などに取り組んでまいります。
 こうした取り組みの推進は、男性も女性も仕事と暮らしのどちらもあきらめず追求することができる社会の実現を目指す「ひろしま未来チャレンジビジョン」の実現にもつながるものであると考えております。
  このため、市町や企業等においても、この男女共同参画の視点での取り組みが拡大していくよう、広島県としてのリーダーシップや役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。




(2)女性が活躍できる環境整備について

【質問】
 男女雇用機会均等法の制定から30年以上経つが、今なお、男女間の実質的格差が残っている。特に管理職に占める女性の割合は低く、本県職員の課長以上の割合でも6.2%という状況である。さらに、わが国にはM字カーブと呼ばれる女性の就労実態があり、出産や子育てにより仕事を辞める人が約6割おり、再び働くことを約9割も希望しながら、多くの方が働くことへの一歩を踏み出せていない。
 第4次男女共同参画基本計画のポイントは、働き方改革である。これまでの日本を支えてきたのは、長時間労働や転勤ありきの男性中心型労働慣行だが、その中で女性が仕事を続けていくことは大変な努力が求められ、多くの女性は就労から離れるか、非婚・晩婚・晩産などの選択をするしかない。女性に経済を押し上げていく推進力としての役割を期待するなら、社会全体として強い意志を持って変革に取り組まなければ、このような流れは止むことがないと危惧している。
 安心して働き続けられる、安心して産み育てられると、女性自身がそう実感する社会になったとき、初めてその流れは変わるのではないかと思うが、今後、社会環境の整備に向け、どのように取り組もうとしているのか、知事に伺う。

【知事答弁】
 様々な職場において、女性の活躍が進むことは、女性がその能力を十分に発揮でき、自己実現を可能とするとともに、社会の多様性と活力を高め、地域経済の発展にも繋がることから、極めて重要であると認識しております。
 本県では、これまで、女性の就業継続や再就職支援に向けて、
 ・就業継続を支援する研修会や奨励金の支給
 ・次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定支援
 ・わーくわくママサポートコーナーによる相談窓口の設置 など、様々な施策に取り組んでまいりました。
 こうした取り組みにより、就業率は上昇傾向にあるものの、女性が限られた職務に配置され、管理職に占める女性の割合も依然として低い水準にあり、更なる取り組みが必要であると考えております。
 そのため、本県では、これまでの取り組みに加え、今後、県内企業における女性管理職登用に関する実態調査を行い、女性のキャリア形成に向けた課題を分析するとともに、効果的なアプローチ手法を検討してまいります。
 また、女性の活躍には、男女ともに長時間労働の是正や適切な休暇取得の促進が欠かせないため、今後は「働き方改革」にも注力していくこととし、県内企業における働き方改革の取り組み状況を把握した上で、個々の企業の状況に応じた効果的な支援策を講じてまいりたいと考えております。
 こうした取り組みを、「働く女性応援隊ひろしま」や、「イクボス同盟ひろしま」とも連携をしまして、官民一体となって取り組むことにより、女性がその力を最大限発揮できる環境を整備し、「仕事でチャレンジ!暮らしをエンジョイ!」を実現する、「女性の働きやすさ日本一」の広島県を目指してまいります。




(3)ひとり親への総合的な支援について

【質問】
 女性の活躍推進に取り組むと同時に、その対極にある女性の貧困の固定化や子供への連鎖、ひとり親への支援、DVや性犯罪、マタハラなどの課題にどう向き合い、どう改善していくのかという取り組みを併せて進めていくことも重要である。
 シングルマザーのほとんどが働いているにもかかわらず、その平均年間収入は極めて低い。さらに、子供の貧困率は16.3%で、6人に1人と言われているが、本県の就学援助を受ける子供は22%で、4〜5人に1人と全国より高い。また、ひとり親家庭に限ると、全国データでは54.6%となり、まさにシングルマザーの2人に1人が貧困状態にあるということは、直視しなければならない課題である。
 ひとり親への支援については、他県での先進事例も参考にしながら、総合的かつ早急に、その取り組みを充実させていくべきと考えるが、知事の所見を伺う。

【知事答弁】
 ひとり親は、子育てと生計の担い手という二つの役割を一人で担うことになり、生活の様々な場面で負担や制約があり、とりわけ母子家庭においては、不安定な就業環境におかれている方が多いなど、経済的にも厳しい状況にあるものと認識しております。
 このため、親と子に対しまして、他県の状況も参考にしながら、必要な支援をトータルで実施できるよう努めているところでございます。
 具体的には、ひとり親が子育てをしながら、安定した生活が送れるよう、母子家庭等就業・自立支援センターにおける職業紹介や相談対応などの就労支援養育費の確保相談や福祉資金の貸付等による経済的支援生活支援としての公営住宅への入居の優先的な取扱い、などを実施しております。
 さらに、子供に対しては、福岡県の取り組みを参考に、ボランティアを活用した学習支援に取り組んでいるところでございます。
 こうした取り組みを加速させ、平成28年度からは、新たにひとり親に対する就職に有利な資格の取得を促進するための貸付事業、相談窓口のワンストップ化など、相談体制の充実を図る市町に対する助成事業を行うとともに、子供に対する支援としては、学習支援事業の実施箇所の拡大に加え、食事の提供を含めた子供の居場所づくり事業を行うこととしております。
 今後とも、他県等の取り組みを参考にしながら、親と子の双方の視点に立った総合的な支援を、スピード感を持って推進することによって、ひとり親家庭が安心して自立した生活を送れるよう努めてまいります。




(4) 配偶者からの暴力の防止基本計画の次期策定について
ア 第3次計画の策定について


【質問】
 警察や相談センターなどへのDV相談は年々増加し、本県でも1年間で4千件余りとなっているが、潜在的にはもっと多いのではないかと思う。
 DVは他人が介入しにくい問題であり、しかもその多くは、問題が発覚した時には、被害者は心身ともに相当なダメージを受けて、回復しにくい状況にもある。
 深刻な状況に陥る前に、当事者にも周囲にも気付いてもらうため、どのような行為がDVなのか、県民に広く知ってもらうための本気の啓発活動が大切である。
 間口を拡げ、垣根を低くし、少しでも早く相談できる体制は、早期の解決が期待でき、結果として、深刻な一時保護を減らすことにもつながる。
  現実に被害にさらされ、不安を感じている人には積極的に一時保護を行い、身の安全を確保し、自立につなげていくケアを充実していくことが、最も重要である。
 「女性の人権を侵害することは、絶対に許さない」という本県全体の機運を高めていくためにも、この度の「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画」の第3次計画の策定に当たり、今後どのように取り組むのか、伺う。

【健康福祉局長答弁】
 DVは、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり、いかなる理由があろうとも決して許されるものではありません。
 「ひろしま未来チャレンジビジョン」におきましても、DV問題は「人づくり」及び「安心な暮らしづくり」の二つの分野に位置付けており、解決すべき重大かつ喫緊の課題であると認識しております。
 計画の策定に当たりましては、有識者等で構成する検討会を立ち上げ、議論していただいているところでございますが、DVの発生防止に向けた若い世代への啓発が必要であること、相談件数は増加傾向にありますものの、女性の約4人に1人がDVの被害を受けたことがあるとの調査結果を踏まえますと、相談できずに悩んでいるケースが多いと想定されること、相談後の心身ともに自立できるまでのサポート体制が不十分であることなどが課題として挙げられております。
 引き続き、幅広い観点から十分に検討した上で、実情を踏まえた実効性のある計画を策定し、女性がDVに苦しむことなく、いきいきと安心して生活できる広島県の実現に向けて、取り組んでまいります。




イ 学校現場におけるデートDV防止に向けた取り組みについて


【質問】
 内閣府が平成26年に行ったDVに関する調査によると、交際相手がいた女性の5人に1人が被害を受けている。若年層への啓発は、子供たちを将来の加害者にも被害者にもさせないためにも、より重要と考える。
 学校現場においても、デートDVの防止に向け、今後積極的に啓発に取り組んでいくべきと考えるが、教育長の所見を伺う。

【教育長答弁】
 いわゆるデートDVは、殴る、蹴るといった身体的暴力だけでなく、精神的、性的暴力や金銭強要などの形として現れており、大変深刻な問題であると認識いたしております。
 このため、デートDVに係る教師用指導資料等を作成し、基本的な考え方や指導の留意点、トラブルの事例等を示し、児童生徒が加害者にも被害者にもならないよう、その防止に取り組んでいるところでございます。
  教育委員会といたしましては、引き続き、生徒指導主事研修等を通して、教職員の意識啓発や指導力の向上を図るとともに、関係機関等と連携し、児童生徒向けの学習資料の作成を検討するなど、デートDVの防止に努めてまいります




(5)性犯罪被害者等ワンストップ支援センターについて

【質問】
 広島県警の把握する県内での犯罪が減少傾向にある中にあって、性犯罪は過去5年以上200件前後で推移しており、その発生状況は大きく変わっていない。性犯罪は、被害者の回復が最も困難になる卑劣な犯罪であり、しかも、被害者が勇気を出して家族や警察、支援団体などに相談する場合、何度も辛い体験を打ち明けなければならないため、精神的な負担は更に大きくなる。このため、関係機関と連携しながら、性犯罪に特化して取り組む公的機関を設置することは、喫緊の課題である。
  内閣府も病院を拠点にするのが望ましいとしているように、本県でも、一括して対応するセンターを病院に設置することが、被害者にとって最も利用しやすいのではないかと思う。加えて、被害を受けた時には、速やかにこのセンターに連絡し相談するように周知を図るとともに、被害の相談に対し適切な対応ができるよう、支援員の育成が急がれる。
 そこで、この度、設置を検討している性犯罪被害者等ワンストップ支援センターについて、今後どのような相談環境を整備し、特に被害者からの相談に寄り添う支援員をどのように育成しようとしているのか、知事に伺う。

【知事答弁】
 本県で発生しております性犯罪等の被害者の約8割が誰にも相談することができず潜在化していると考えられ、性犯罪被害者等ワンストップ支援センターを設置することで、性犯罪被害等に特化した、被害者が安心して相談できる環境を整えることは、極めて重要であると認識いたしております。
 この相談環境の整備に当たりましては、電話や面接による対応のみならず、被害直後の治療や検査など、医療行為としてのケアも被害の深刻化を防止する上で不可欠なものと考えております。  このため、来年度の試行においては、中心となる病院を定めるとともに、複数の病院とも連携した形態で実施し、その効果や課題を検証してまいります。
 また、被害者の相談を直接受ける支援員につきましては、医療福祉や刑事手続きに関する専門知識のみならず、二次被害を与える言動についての十分な理解や被害者との信頼関係を構築する能力などが必要であると考えております。
 このため、来年度は性犯罪被害等に特化した支援員の養成研修に取り組むとともに、日常的なOJTや困難事案へのサポートのため、支援センター内に経験豊富な「スーパーバイザー」を配置して、被害者の相談に適切に対応できる体制を構築してまいります。
  こうした取り組みにより、「ひろしま未来チャレンジビジョン」の「安心な暮らしづくり」につながるよう、性犯罪被害者等にとって最も利用しやすい相談環境の整備を進めてまいります。



(6)性同一性障害への認識と対応について
ア 学校における性同一性障害の児童生徒への認識と対応について


【質問】
 今国会では、性的少数者、いわゆるLGBTへの差別を禁止する法案の提出が検討されている。東京では同性カップルに証明書を発行することなどを定めた、いわゆる同性パートナーシップ条例が制定され、世間の注目を集めるなど、性的少数者への権利保障の動きが加速している。
  昨年4月には、文部科学省から全国の学校に対し、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通知が行われた。
  性同一性障害への悩みを抱えることで不登校やいじめの被害につながるケースもあり、性同一性障害の3人に1人は不登校経験者と言われている。いかなる理由であっても、いじめや差別を許さないという適切な生徒指導や人権教育などを推進することが、悩みや不安を抱える児童生徒に対する支援の土台になる。
 学校においては、教師への研修等をしっかり行い、日頃より児童生徒が相談しやすい環境を整えていくこと、また、最初に相談を受けた教師だけで抱え込むことなく、学校全体でサポートする体制も必要である。
 こうした性同一性障害の児童生徒について、学校現場において、その現状をどのように認識し、文部科学省からの通知を踏まえ、どのように対応しているのか、教育長に伺う。

【教育長答弁】
 学校が把握している性同一性障害の事例は、全国で約600件と報告されていますが、自らの性に違和感を持ち、不安や悩みを抱えている児童生徒は、この件数以上にいるものと認識しております。
 教育委員会といたしましては、文部科学省の通知を踏まえ、各学校におきまして、児童生徒が相談しやすい環境を整え、実情を把握した上で、関係医療機関とも連携するなど、きめ細かな対応が行われるよう、市町教育委員会及び県立学校に対し指導しているところでございます。
 また、保健主事研修や生徒指導主事研修等において、性同一性障害に係る児童生徒の心情に十分配慮した適切な対応について徹底を図っているところでございます。
 性同一性障害に係る児童生徒の支援につきましては、各学校におきまして、最初に相談を受けた者だけで抱え込むことなく、教育相談担当者等を中心に情報を共有し、組織的に対応することで、適切な配慮が行われるよう、引き続き指導してまいります。




イ 性同一性障害の方への相談体制について

【質問】
 大人になって性別の違和感に悩む人に対しても、性同一性障害に理解の深い医療関係者や当事者団体などと連携しながら、適切な対応につなげていけるような体制づくりも必要ではないかと思う。さらに、子供たちについては、学校現場において相談体制を確保しておくことが何より大切ではあるが、学校で相談しにくいと感じる子もいると思う。
  このため、学校での相談体制を構築するとともに、学校以外にも相談機関を用意しておくことは、悩みを抱える子供たちにとっても、自分の性別に違和感を持つ人たちにとっても大変心強いものである。
 そこで、性同一性障害に悩む人に対しては、現在どのような相談体制をとり、また、今後、その機能を充実させるなど、どのように取り組みを進めていこうとしているのか、伺う。

【環境県民局長答弁】
 性同一性障害の方は、社会の中で偏見の目にさらされたり、職場で昇進を妨げられたり、学校生活でいじめを受けるなど、社会生活に支障を来す状況に置かれていると認識しております。
 性同一性障害の方が抱える、こころの健康や保健、医療などの悩みにつきましては、市町の保健センターや県の保健所が窓口となっており、特に専門的な相談につきましては、診察も含め県立総合精神保健センターで対応しております。
 また、「広島県女性総合センター」では、性別に関わらず生活上の様々な悩みに関する相談に対応することとしておりますが、これまで、相談が寄せられていないことから、今後、相談窓口として御利用いただけるよう、積極的に周知を図るとともに、相談員の性同一性障害に対する知識を深めるなど、相談機能の強化を図ってまいります。
 さらに、労働問題や人権問題などの専門的な相談に関しましては、労働局や法務局などの相談窓口との連携の強化に努めることで、性同一性障害の方の相談に対し、より適切に対応してまいります。




3 若者の自殺対策について

【質問】
 平成26年中、本県で自殺のため亡くなった人は543人おり、5年前の668人から減少傾向にあるが、交通事故で亡くなった人と比較するとおよそ5倍という高い水準にある。
 年齢層別で5年前と比較すると、中高年層は大きく減少した一方で、特に20代・30代の若年層は、自殺が死亡原因の1位という状況にある。
 自殺を考える要因としては、健康問題や家庭問題、経済問題など様々なものがあるが、「自殺は、その多くが防ぐことができる社会的な問題である」と世界保健機関で言われるように、社会の努力により避けることのできる課題であると国際的に認識されている。
 我が県では、平成28年度からの5年間の計画として、「いのち支える広島プラン」の策定を進めており、目指す姿として「生きる支援が日本一充実している県」を掲げている。
 そこで、自殺者を減らしていくための本県での取り組みのうち、特に前途ある若者に対して、今後どのように取り組むことで、未然防止を図ろうとしているのか、伺う。

【健康福祉局長答弁】
 平成22年に策定をいたしました第1次計画に基づき、県・市町が一体となって自殺対策に取り組んでまいりましたが、20代・30代の働く世代においては、依然として死亡原因の第1位であり、10代以下の若い人たちについても深刻な課題であると認識しております。
 現在、第2次計画となる「いのち支える広島プラン」を策定し、引き続き効果的な自殺対策に取り組むこととしており、このうち若年層に対しましては、
 ・ 10代以下の若い人たちの心のケアを行うための教育相談推進事業、スクールカウンセラー配置事業、ひきこもり相談支援センター運営事業の実施 ですとか、
  ・ 2点目、うつ病・勤務問題の解消を行うための職場のストレスチェックを活用したメンタルヘルスの推進
  ・ いのちを支える仕組みの整備のための教職員を含めたゲートキーパーや精神科医、支援コーディネーター、市町など関係者との密接な連携による支援体制の構築 などを推進していくこととしております。
 特に若年層、その中でも女性に多く見られる自殺未遂者への対応としましては、広島大学の救命救急センターで実施をしております搬送後直ちに精神科医と連携をし、退院後も継続して相談・支援を行う自殺未遂者介入事業が自殺の再企図を大幅に減少させる効果があったことから、他の救命救急センターへも拡充してまいります。
 このような取り組みを通じて、自殺に至る各段階に応じた支援を実施しながら、若年層の自殺対策の一層の推進に取り組んでまいります。




4 有権者となる若者への意識啓発について

【質問】
 選挙権年齢を現在の20歳以上から18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が昨年6月に成立し、この夏に行われる参議院選挙から投票が実施される予定である。
 現代の若者は、社会の成熟化に伴い、政治に対する関心が薄れていると言われるが、少子高齢化の進展を始め、非正規雇用者の増大や平和や環境、福祉の問題など、自分自身の人生に直接関わる様々な社会問題を十分理解した上で、若いうちから政治に関心を向けていくことを促していかなければならないと思う。
 特に、選挙権年齢が20歳以上であった時は、成人式を迎えることで選挙権を得ることを実感できたが、選挙権年齢が18歳以上になった今日、そのような社会的な通過儀礼が無いため、何となく選挙権を得たという感覚を持つことも考えられる。
 若者が政治への関心を高めるためには、政治に関わっている私たちから、政治が若者の未来にいかに直結しているか直接対話していくことが必要だが、選挙制度を管理する行政からも、若者に対して何らかのアプローチが必要ではないかと思う。
 初めて選挙権を得る若者に対しては、これまで以上に有権者になることへの自覚を促す啓発活動を工夫して取り組む必要があると考えるが、所見を伺う。

【選挙管理委員会事務局長答弁】
 選挙権年齢の引下げは、70年ぶりとなる有権者の拡大であり、多くの若者が政治に参加することで、民主主義そのものの価値を高めることにもつながっていくものと期待されております。
  県選挙管理委員会では、これまでも、若者への啓発の工夫といたしまして、市町の選挙管理委員会と連携しながら選挙の出前講座を実施してきましたが、昨年度は、全国に先駆けて高校生向けの選挙啓発テキストを作成して、小学校から高校までの全校種のテキストを整備し、一貫した啓発活動に取り組める体制を整えたところでございます。
 さらに今年度は、選挙権年齢の引下げに備え、市町の選挙管理委員会や教育委員会、学校と連携しながら、50を超える高校などで、選挙の出前講座を行ったところでございます。
 また、大学などへの期日前投票所の設置につきましても、投票の利便性の向上や、学生などへの啓発効果も見込まれることから、市町の選挙管理委員会に対し、積極的な取り組みを働きかけており、現在、5箇所において設置が予定されているところでございます。
 加えて、これまで成人式で配布していた「選挙のしおり」を、18歳になり選挙人名簿に登録された時点で本人に送付するなど、選挙権を得た実感につながる対応を市町の選挙管理委員会に働きかけているところでございます。
 引き続き、こうした取り組みを通じ、若者が、国や社会の問題を自らの問題として考え、判断する、有権者としての自覚を促していくとともに、来たるべき参議院選挙に向けた啓発も創意工夫しながら行うなど、若者の投票参加が一層拡大するよう、積極的に取り組んでまいります。




5 本県の教育について
(1)高等特別支援学校の設置について


【質問】
 特別支援学校では、小学部から高等部まで1つの学校の中で、様々な障害のある子供たちが一緒に教育を受けているのが実情である。また、どうしても重い障害の子供に目が向いて、軽い障害の子供にはなかなか手がかけられないという側面があるため、もう少しきめ細かいサポートができれば社会で自立できると思われる子供たちもいることから、更なる後押しが必要であると思う。
 本県での特別支援学校卒業生の就職率は、かつては約10%程度と全国最低レベルであった。その後、職業的自立へのコースや認定資格制度などを設けることで、現在の企業への就職率はおよそ30%までになったが、いまだ3人に1人が就職できるかどうかの状況であり、将来への不安を持つ保護者も生徒も多いのが現状である。
 少子化の中、特別支援学校の生徒は年々増えるなどニーズは高まっており、他県では、高等特別支援学校の就職率は、ほぼ100%に近い状況であり、廃校になった学校を、高等特別支援学校に再利用するところもある。我が県も、平成30年に開校予定のフレキシブルスクールの設置に伴い、県立西高等学校の跡地の活用は十分に考えられる。
 この度、教育委員会で進めている学びの変革に係る説明では、グローバルリーダー育成校の設置に対して、「全国に先駆けて」と何度も強調している。全国や世界を目指す教育に力を入れることは否定しないが、その前に本県の子供たちに対して、学びを保障し、自立の基盤を整えることは、県の責務ではないかと考える。
 高等特別支援学校の設置は、特別支援教育の前進につながると思うが、この学校の設置について、教育長の所見を伺う。

【教育長答弁】
 本県におきましては、これまで、特別支援学校高等部への職業コースの設置、就職を支援するジョブサポートティーチャーによる就職先企業の開拓、技能検定の開発・普及などにより、特別支援学校高等部卒業者の就職率は概ね全国水準に達し、とりわけ職業コースにおける就職率は90%を超えている状況でございます。
 一方で、生徒の就職先の内訳を見ますと、清掃や製造現場における補助的業務が多い状況にあり、雇用数の拡大はいずれ限界を迎えることが予想されるところでございます。
 このため、今後は、職業に関する専門学科を置く高等学校と連携をしたり、企業実習を更に充実させたりするなど、生徒の持つ特性を最大限に生かすことができる、より実践的で専門的な職業教育を行うことなどにより、障害のある生徒の自立と社会参加を更に進めていく必要があると考えております。
 教育委員会といたしましては、職業に関する専門学科を置く高等学校との連携方策や企業の立地条件なども勘案しつつ、引き続き、高等特別支援学校の設置について検討してまいりたいと考えております。




(2)県立広島大学の今後の在り方について

【質問】
 人口減少や大学進学時における転出超過に対応し、グローバル化の進展などを背景とする人材育成への社会的な要請に応えるため、県が設置する大学の今後の在り方について、高等教育に関する有識者の意見を聞きながら、検討が進められている。
 歴史をさかのぼれば、元々、県立広島大学は県内の公で唯一の女子大学であり、女子教育の先駆けでもあった。男女共同参画の視点をしっかり学び、今後求められる時代のオピニオンリーダーを生み出していける大学であっていただきたい。
 また、少子化が進み、どこの大学も学生の獲得が大変な中で、若者から選ばれる大学になるためには、思い切った取り組みも必要である。この度公表された最終まとめ案の中では、卒業後、一定期間以上の県内就職を前提とした奨学金制度の導入などについて、その必要性がうたわれている。そして、県内企業と連携して、地元で就職を希望する学生とのマッチングを増やしていく取り組みも大切である。
 そこで、県立広島大学においては、数ある大学の中で若者たちから選ばれる学校となるために、今後どのような大学となることを目指し、どのような変革に取り組もうとされているのか、伺う。

【環境県民局長答弁】
 県立広島大学におきましては、「地域に根ざした、県民から信頼される大学」を基本理念として、医療・福祉や環境、バイオ、国際文化など様々な分野で、企業や地域社会において活躍できる実践力のある人材の育成に取り組んでおります。
 具体的には、県内企業の支援を得て、学生自らが商品企画を実践するプロジェクト演習の実施や、市町等との地域課題研究等を100件以上実施し、商標登録や特許取得に結びつく成果も生み出しているところでございます。
 また、授業料を半額免除する対象を拡大するなど、厳しい経済環境にある学生の就学支援にも取り組んでおります。
  さらに、学生の就職につきましては、合同就職懇談会の開催や教員による県内企業の訪問などにより、昨年3月の就職率、98.8%の内、県内就職が約6割と一定の成果を上げております。
 一方、グローバル化の進展に対応できる実践力ある人材の育成が課題であると考えており、座学による一方的な講義形式から、ディスカッションやディベートを中心とするアクティブラーニングへの移行を加速させていくほか、学生の海外留学を積極的に支援するとともに、海外留学生の受入を促進し、学内におけるグローバル環境の構築に一層努めてまいります。
 現在、県立広島大学におきましては、学部等の見直しを行っているところであり、県における高等教育機能の強化に向けた検討状況を踏まえて、更なる大学改革を進めることにより、地域社会や企業から、より一層評価され、多くの若者から選ばれる魅力的な県立大学を目指してまいります。