2013年11月22日       

決算特別委員会総括質疑

1 親元で暮らせない義務教育終了児童等の受入れ施設と自立の推進について

1-(1)児童養護施設における自立支援に向けた具体的な体制整備について

【質問】
 呉市での「少女死体遺棄事件」は16〜17才の少年少女全員の処分が決まったが,複数の様々な事情により家族と暮らせない環境の中,事件に拘わった子どもたちは未成年にもかかわらず,子どもたちだけで身を寄せ合って生活をしていたという。今,10代のホームレスも増えているとも言われている。
  自治体の福祉窓口に駆け込めば保護されるわけだが,なかなか施設に馴染めず入所が難しい実情があったり,そもそも公的な助けがあることを知らない子どもも多くいる。
 中学校を卒業した16,17,18歳の子どもたちは,学校から遠ざかった場合は特に責任を持つ大人が周囲にいなくなる状況になり,社会人として自立していくにはなかなか困難な環境になる。
 善意の大人にばかり頼るのではなく,行政は民間施設の力をもっと生かすような働きかけが必要である。
 先日,会派で大分県にある「児童アフターケアセンターおおいた」を訪問し,具体的な支援の取組状況を伺ってきた。ここは2年前に開所し,県の委託を受けた社会福祉法人が運営しており,児童養護施設を退所した子どもに対し生活や就学,就業に関する相談に応じている。今年度からはセンターを5人体制として自宅や職場への訪問支援事業もしているとのことである。
 こうした,子どもと一緒に考え行動する伴走型の支援は,全国的にも先進的な事例として注目をあびているところである。児童養護施設などを退所した子どもたちは社会に出た後様々な困難に直面する一方で孤立しがちになり,就職後1年以内の離職率は34%余りとなり,一般家庭と比較すると2倍以上になっている。
 施設を退所した子どもたちへの福祉や雇用などさまざまな相談についてワンストップで対応できる体制の整備,社会的に自立できるように支援を充実させることは行政の責務として重要なことだと考える。
 以上のことから,本県においても平成26年度までに3か所の自立援助ホームの設立を進めようとされているが,なかなか厳しい状況がある。
 社会福祉法人などに働きかけを行い,児童養護施設における自立支援に向けた機能強化を図ることにより体制整備に努めていくとのことだが,具体的にはどのように進めていくのか,健康福祉局長に伺う。

【健康福祉局長答弁】
 退所後の児童が社会で自立して生活することができますよう,現在,県内の児童養護施設におきまして,児童に対する就職や生活基盤の確保等に向けた支援が行われているところでございます。県といたしましては,施設に対し,職員の配置につきまして財政上の支援を行ってきております。
 また,今年度から,児童養護施設等退所児童サポート事業を開始し,満18歳未満の退所児童に対しまして,施設が中心となり,こども家庭センターや市町とも連携をして,退所児童への訪問や電話相談などの支援を実施しております。
 自立援助ホームの設立につきましては,退所児童の受け皿となる社会福祉法人などの確保が困難な状況にありますが,引き続き,県内の児童福祉施設等との意見交換や設立に向けた働きかけを行って参ります。




1-(2)施設のアフターケア事業の支援の拡充について

【質問】
 児童養護施設の関係者に話を聞くと,今でも手いっぱいの状況の中,とても退所後の子どもの相談にはのれないというのが本音のようである。これを解決していくには,施設の人員の増員以外にないと思うが,県としてアフターケア事業の支援を拡充することについてどのように考えているのか,健康福祉局長に伺う。

【健康福祉局長答弁】
 児童養護施設を退所した児童のアフターケアにつきましては,県内の各施設におきまして,これまでも,退所後の児童の相談に親身に対応するなど,積極的に取り組んでいただいているものと認識しております。
 こうした中,入所児童の約半数が被虐待児童であるということから,平成23年度に国が施設職員の配置基準を改正し,児童の心のケアを行うための心理療法担当職員の配置が進んでいるところでございます。
 更に,本県独自の取組といたしましては,今年度開始した児童養護施設等退所児童サポート事業を行う施設に対しまして,専任の常勤職員1名を配置するために必要な経費を助成しております。
 引き続き,児童養護施設における退所児童の支援体制の強化のため,国に対しまして,施設職員の配置基準の拡充について,要望して参ります。




1-(3)親元で暮らせない義務教育終了児童等の受入れと自立の支援に取組む県としての姿勢について

【質問】
 現在,広島には子どもの緊急避難場所として子どもシェルターがひとつあるが,シェルター退所後の子どもたちの行き場がなく出口資源が乏しいことが,シェルターへの受入段階から問題になっている。
 こうした子どもたちの育ちの場を補完する施設の提供も子育て支援の最重要課題として取り組んでいただきたいと思う。親元で暮らせない義務教育終了児童等の受入れと自立の支援に取り組む県としての姿勢について,知事の所見を伺う。

【知事答弁】
 親元で暮らせない義務教育終了児童等が,離職などによって一時的に生活が困難になった際に,児童の受入れや自立を促す場として,自立援助ホームを中心とした支援は重要な役割を担っているものと認識をしております。
 本県におきましても,平成21年度に策定いたしました「みんなで育てるこども夢プラン」に基づきまして,県内3か所を目標に自立援助ホームの設置促進に努めてきたところでございますが,現在,シェルターを含めて2か所にとどまっているという状況でございます。
 このため,優れた人材を有し,児童福祉分野に実績のある社会福祉法人などに自立援助ホームの設立を積極的に働きかけるとともに,近隣県との広域連携強化を進めることにより,親元で暮らせない児童が,将来に夢をもって社会生活を送ることができる環境の整備に取り組んで参りたいと思います。




2 結婚支援の取組について

2-(1)現在の結婚支援の取組の効果について

【質問】
 本県の合計特殊出生率は,国の人口動態調査によると,平成17年から平成22年の5年間で0.21増加し,増加幅が全国一の1.55となったことがあった。また,本県の男性の育児休業取得率は,平成24年度の実績は7.2%となり,全国平均1.89%を大幅に上回ったところである。
 知事もこの度の選挙では「イクメン」を前面に出してアピールされたと伺っているが,この機会を逃さず,更に子育て支援策をあと押ししていただきたいと思う。
 少子化対策として地方自治体が婚活支援に取り組む流れが全国に広がっているのを受けて,国は2014年度から自治体が開く婚活イベントを支援する方針を打ち出している。先進的な取組を公募し,モデル事業に選ばれた自治体に助成するという取り組みである。
 以前は,地域や職場で結婚の世話を焼く方や上司が多くみられたようであるが,最近はプライバシーに立ち入ることがはばかられる時代の中で,出逢いの場のない多くの若い人たちから,結婚相手にめぐりあうチャンスがないという声が聞かれる。
 現在,本県では民間による婚活イベントの情報をホームページで掲載するなど,「婚活ネット」の仕組みによる支援に取り組まれている。実際の成果の把握は難しいかとも思うが,現在の結婚支援の取組についてどれくらいの効果がでているか,健康福祉局長に伺う。

【健康福祉局長答弁】
 結婚支援につきましては,平成22年度から,県におきまして「イクちゃん縁結(えんむす)サービス」を実施いたしまして,民間企業や市町等が実施するイベントの情報提供を行っているところでございます。
 事業開始以降の実施状況につきましては,
・ 婚活イベント事業者数が着実に増加し,現在49団体に至っていること
・ 掲載イベント数につきましては,初年度の200件から現時点で560件を超えまして,2.8倍に増加していること
・ ホームページの月平均アクセス数が,前年度比1.2倍の約36,000件に達していること
・ 更には,県が情報提供を行っているため,参加者から安心できるという声が寄せられていることなどから
本事業は結婚を望む方々の情報収集や行動を起こすきっかけとして一定の効果があるものと考えております。
 今後とも,掲載情報の充実を図りますとともに,イベント実施団体と連携し,効果的な事業展開に努めて参ります。




2-(2)結婚支援事業の今後の取組について

【質問】
 茨城県や兵庫県などでは,県が「出会いサポートセンター」を設置し,職員を置いて支援する仕組みをつくり,多くのカップルが生まれていると聞く。県がバックにいるという安心感と安価な仲介料は大きな魅力である。
 子育て支援の前段階である結婚支援は少子化対策の有効な手立てであり,本県としても婚活支援事業に直接取り組むなど,より積極的に進めるべきではないかと考えるが,知事の所見を伺う。

【知事答弁】
 未婚化・晩婚化及び結婚観や職場環境の変化など,様々な要因により,結婚を希望しながらも「適当な相手にめぐり会わない」という若者が,男性で46.2%,女性で51.3%に至っております。
 県といたしましても,出会いの場の必要性を認識しているところでございまして,「イクちゃん縁結(えんむす)サービス」による情報提供を行ってきたところでございますが,現在,更なる充実策について検討を進めております。
 また,10県知事による「子育て同盟」の共同事業の一環としまして,「育児・家族の日」や「婚活・出会いの日」を設定して,家族を持つことの大切さについて全国規模で機運醸成を図ることとしております。
 少子化対策は,本県の将来の社会・経済を担う人材の育成・確保における喫緊の課題であるということから,国に対して,新たな基金の創設を強く要望するとともに,少子化危機突破のために不可欠な対策である結婚支援について,積極的に取り組んで参ります。