2012年3月9日・13日       

予算特別委員会
【3月9日】

はじめに

公明党広島県議会議員団の日下美香でございます。
早速、質問に入らせていただきます。


1 「人づくり」としての子どもと若者の育成支援策について
(1)全ての子どもと若者に対する育成支援策について


 
【質問】
 最初に、「人づくり」としての子どもと若者の育成支援策について質問します。
 来年度予算における重点二分野のひとつである「人づくり」につきましては、少子高齢社会、グローバル社会に対応していくための、全ての基本として大変重要な取組であり、人口が減少する社会においては、全ての人の力を活用していくことが最大の課題であると思います。
 しかしながら、現実社会に目を転じますと、人口減少が進む中にあって、不登校やうつ病、ひきこもり、虐待、非行、自殺者の増加など、様々な事情により社会生活を営むことが難しい状況におかれた人が増えてきていることを実感します。特に、子どもの頃や、若い年齢でのこのような体験はトラウマとなり、その後の人生においても大きな影響を及ぼすと考えられます。そうした状況におかれた人にこそ、政治は光を当てるべきであり、それは、また多くの県民の皆様への希望と安心につながります。「人づくり」を重点分野として推進するに当たり、本県の将来を支える人材として「全ての人の可能性を引き出す」ための施策を積極的に打ち出していくべきであると思います。
 一度や二度、うまくいかないことがあったとしても、未来のある子どもや若者たちが、再びチャレンジしていけるトランポリンのような社会環境の構築を急ぐべきであると思います。
 様々な事情により、社会生活を円滑に営むうえでの困難を有する子どもや若者をはじめ、全ての子どもと若者の育成支援について、社会全体で総合的に取り組む必要があると考えますが、どのように対応されるのか、知事のご所見を伺います。


【知事答弁】
 不登校やひきこもり,ニート,非行などの子ども・若者をめぐる諸課題に社会全体で総合的に取り組むため,県においては,年度内を目途に「広島県子ども・若者計画」の策定を進めているところでございます。
 この計画におきましては,
・ これまで県内全域で展開をして参りました「青少年育成県民運動」の成果を最大限に活かすこと,
・ また,社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者への支援を重点的に行うこと,
・ 教育,福祉,保健・医療,雇用等といった各分野の関係者と家庭と地域が一体となって取り組むこと
こういったことを基本方針とすることとしております。
 また,計画の基本的な方向としては,
・ 知・徳・体のバランスの取れた子どもの育成や体験・交流活動の促進などを通じたすべての子ども・若者の健やかな成長への支援
・ 社会生活を円滑に営む上での困難を有する子どもや若者に対しては,その状態に応じた切れ目のない支援や適切な居場所づくりなどによる社会的な自立の促進に取り組んで参りたいと考えております。
 今後は,新たに策定する計画を着実に推進することによって,県民総ぐるみで,すべての子どもや若者の健やかな成長を支援して参りたいと考えております。


 子どもや若者に対する総合的な支援策は次世代への希望と活力につながっていくと思います。知事は広報に大変力を入れておられますが、午前中の答弁の中で、県民の皆様へ「伝わる」ことが大切だと言われたように、こうした施策を強く打ち出していく前に、こうした視点がしっかり伝わっていきますように、「人づくり」に取り組んでいただきたいと思います。



(2)家庭教育支援アドバイザーの配置について

 
【質問】
 次は、家庭教育支援アドバイザーの配置について、お尋ねします。
 来年度、県教育委員会では、虐待や貧困などの問題を抱えている児童生徒の自宅を訪問し、必要に応じて福祉等の関係機関と連携・調整する、家庭教育支援アドバイザーを配置することとしております。専門家のきめ細かい対応により、生徒指導上の諸課題を解決するとともに、県全体の学力向上を目指すこととされています。本県は、不登校の割合も全国平均より、依然として高いままでありますが、児童生徒一人一人に対して、教師を含め複数の目で見つめ、育んでいくことが極めて大切です。昨年の予算特別委員会で、教育現場における福祉的視点に立った取組について、指摘をさせていただいたところでありますが、学校内での「教育と福祉の連携」という視点は、今後もますます重要になると思います。
 そこで、この家庭教育支援アドバイザーを置くに至った経緯とねらいについて、教育長のご所見を伺います。


 【教育長答弁】
 本県では,これまで,児童生徒の学力向上に取り組んできたところでございますが,更なる向上を図るためには,家庭における学習習慣の定着が課題であると考えております。
 学習習慣が定着していない原因は多岐にわたっておりますが,家庭が抱える様々な問題によって,落ち着いて学習ができる環境が十分に整っていない場合がございます。
 そのような場合には,学校の力だけでは対応することが困難であることから,福祉に関する専門的な知識や技術を有し,学習環境に課題のある家庭への支援を主な職務とする家庭教育支援アドバイザーを配置することとしております。
 この家庭教育支援アドバイザーが,こども家庭センター等の関係機関との連携や調整を行うとともに,家庭への直接的な働きかけを行うことで,学習環境が改善され,児童生徒の学力の向上が図られるものと考えております。


 全ての子どもたちが、学校が楽しい、学ぶことが嬉しいと思える環境づくりに、この家庭教育支援アドバイザーが、その一翼を担い、更に拡充され、子どもたちの笑顔が広がることを願い、次の質問に移ります。



2 社会福祉施設の質の向上について
(1)社会福祉施設に対する第三者評価の意義について


 【質問】
 次に、社会福祉施設の質の向上についてお尋ねします。
先月、県東部にある社会福祉法人が運営する障害者支援施設において、職員による利用者への経済的虐待及び性的虐待の人権侵害行為があったことを受けて、障害者自立支援法に基づき、県として初めてとなる改善勧告が出されました。さらに、社会福祉法人「ひまわり福祉会」の不正な経理処理に関して、組織的な関与があるとして、県が初めて、刑事告発に踏み切りました。多くの施設は、適正に運営されていることと思いますが、この二つの施設での案件は、利用者の方々、また、県民の皆様にも大変な不安を与えたことも事実であります。これからの社会福祉施設のあり方を考える上で、非常に大きな影響があると思いますので、その改善策につきまして、提案と共に、質疑をさせていただきたいと思います。
 今後の対応として、県は、職員の管理監督体制の強化や職員の資質向上、苦情解決体制の確立などの勧告をしているようですが、こうした問題の解決には、県も指摘しているように、第三者評価を受けるなど、常に外部の目を入れ、開かれた施設環境を作ることが最も大切ではないかと思います。
 そこで、まず、社会福祉施設が第三者評価を受けることの意義について、どのように認識しているのか、健康福祉局長にお伺いします。


 【健康福祉局長答弁】
 社会福祉施設は,公共性・公益性が高いことから,その運営に関しては,県民に信頼され,理解されることが必要であると認識しております。
 これを具体的に担保する手段の一つとして,第三者評価は,
・施設運営における問題点の把握
・虐待などの不適切処遇や,不正な経理処理の防止
といった効果や,結果を公表することによる,
・サービスの質の向上
・利用者の適切なサービスの選択
といった効果が得られるものと考えております。



(2)社会福祉施設に対する第三者評価の状況について

 
【質問】
 現在、県内で、どのくらいの施設がこの第三者評価を受けているのか、また、それは全体の何%なのか、健康福祉局長にお伺いします。


 【健康福祉局長答弁】
平成22年度におきましては,広島市等を含めた県内1,041の社会福祉施設のうち,第三者評価を受けた施設は21施設であり,全体の約2%となっております。



(3)社会福祉施設が第三者評価を受審しない理由について

 
【質問】
 大変少ない数に驚きましたが、受審につきましては任意であります。そうした風土そのものが、今までなかったのかも知れません。
 第三者評価を受けることは、利用者への福祉サービスの質を向上させるために大変よい仕組みであると思います。
 しかし、受審が十分普及していないことについて、その理由をどのようにお考えか、健康福祉局長にお伺いします。


 【健康福祉局長答弁】
 第三者評価の受審が進まない理由につきましては,
・法的に義務付けられていないこと
・受審の事前準備に多大な作業量を要すること
・特に規模の小さい法人においては,受審のための費用の負担が大きいこと
があると承知しております。
 なお,第三者評価を受審したことがある入所サービスを行う施設に伺ったところ,事前準備に2〜3か月,審査費用に1回約20万円を要したとのことでございます。



(4)社会福祉施設における第三者評価の受審促進について

 【質問】
 来年度より、児童福祉施設につきましては、受審が義務付けられるようですが、私は、利用者への福祉サービスの質を向上させるためにも、その他の施設についても、第三者評価の受審に対して知恵を出していくべきだと思います。
 例えば、評価を受けた施設を、県民の皆様に公表するとか、施設から県にきちんと届出をしてもらうとか、さらに、受審にかかる経費の一部を県が負担するなど、施設の受審を促進していく取組が必要であると考えますが、どのように推進していかれるのか、健康福祉局長に伺います。


 【健康福祉局長答弁】
 県では,受審の促進に向け,第三者評価を受けた施設について,同意を得た上で,評価結果の公表を前提に,施設の現況に係る報告の届出項目に,来年度から新たに追加したいと考えております。
 また,来年度からは,委員御指摘のとおり児童福祉施設のうち,乳児院や児童養護施設などについて,3年に1回,第三者評価を受審することが義務付けられ,運営費にその費用が算定されることとなっております。
 県といたしましては,これらの施設において,第三者評価の受審が適正かつ速やかに行われるよう支援するなど,第三者評価の受審を働きかけて参りたいと考えております。



(5)社会福祉施設の外部監査の受審に向けた取組について

 【質問】
 一方、社会福祉施設のサービスの向上を図る前提として、施設の経営が健全であることが求められます。しかしながら、一般的に、施設の職員は経理の専門家ではありません。
 そこで、経理についての外部監査の受審が、施設の経営の健全性を高めるために大切ではないかと考えますが、受審の導入と促進に向けてどのように取り組んでいかれるのか、ご見解を健康福祉局長に伺います。


 【健康福祉局長答弁】
 法人運営の向上や不祥事の防止のためには,法人内部の牽制体制を確立する観点から,監事の監査能力の向上とともに,外部監査を導入することが効果的であると認識しております。
 このため,今年度初めて開催した,社会福祉法人の理事長や監事を対象とした研修会において,新たに策定した監事監査マニュアルを周知し,監事の監査能力の向上を図るとともに,外部監査の導入の必要性や重要性を説明し,導入の促進を図ってきたところでございます。
 県といたしましては,現在,公認会計士協会と,社会福祉法人での外部監査の方法や,法人の監事との連携・協力のあり方などを検討しているところであり,引き続き,社会福祉法人への外部監査などの導入などの促進に取り組んで参ります。



(6)社会福祉施設への専門職の配置について

 【質問】
 更に、社会福祉の充実を図るには、制度やサービスを、その利用者と結ぶ専門職の存在が必要です。福祉の専門職、例えば介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士を養成し、きちんと利用者に、専門的なサービスを提供していける状態を作ることが重要です。現在、社会福祉施設に社会福祉士を置かなければいけないという法律がないため、資格がある人もない人も「生活支援員」という名称でひとくくりにされて、配置されているのが現状であります。
 しかし、せっかく国家資格を取り、特に、これからますます需要が高まる成年後見人制度など権利擁護について熟知している社会福祉士の活用は、それぞれの施設において、必須であると考えます。社会福祉士が配置されていない施設では、県が施設の不適正事案に対する改善策として出している、実習生の受入れも、困難です。
 そこで、専門職を配置している施設を公表するなど、社会福祉士の配置を全施設に促すための取組をしてはどうかと考えますが、知事にご見解を伺います。


 【知事答弁】
 社会福祉施設におきまして,利用者に対して職員の専門性を活用することは,サービスの質の確保の観点から,重要であると認識をしているところでございます。
 このため,県では,来年度,社会福祉士などの専門職種の,社会福祉施設での配置状況や業務内容を把握するための実態調査を,実施するということとしております。
 県としては,この調査結果を踏まえ,社会福祉士等の専門的な知識に基づく相談機能や関係者との連携・調整機能といった専門性を社会福祉施設において有効活用するために,専門職を配置している施設の公表を含めて,より質の高いサービスの確保に向けた検討を進めて参りたいと考えております。



(7)社会福祉施設の質の向上のための積極的な取組への要望

 高齢化の進展などにより、社会福祉施設に対するニーズは、今後、ますますふえていくと思います。県としても、安心の受け皿として、促進していかなければならないと思います。施設が、利用者の方々の信頼と安心を得ていくためにも、第三者評価を受審したり、専門職の配置や実習生の受け入れを行うなどの自助努力が求められます。
 先ほどから申し上げている、具体的な提案や取組を、県としても、しっかり推進し、社会福祉施設の質の向上に本気で取り組んでいただくことを要望いたしまして私の質問を終わります。



【3月13日】

公明党広島県議会議員団の日下美香でございます。

3 働く女性のための環境整備について
(1)「しごとプラザ マザーズひろしま」の県民への周知について


 
【質問】
 まず、働く女性のための環境整備について質問いたします。
昨年の予算特別委員会において、「女性の就労支援・相談体制について」質問させていただき、ひろしましごと館の中に、「女性の就業相談コーナー」が設置されたところではありますが、この度、さらに発展し、今月21日には、子育て中の母親の再就職を支援する広島労働局の窓口「マザーズハローワーク」と広島県の窓口とが一体化した施設、「しごとプラザ マザーズひろしま」がオープンする運びとなりました。
女性の就労支援で国が設置するマザーズハローワークと都道府県の窓口併設は全国で初めてということであり、先進的な取り組みに期待をするものでありますが、その上で懸念されることがありますので、いくつか、お尋ねしたいと思います。
まず一点目は、この「しごとプラザ マザーズひろしま」の県民への周知であります。今までのマザーズハローワークはハローワーク広島の四階に位置しておりました。また、県の女性就業相談コーナーは、ハローワークとは別のビルのひろしましごと館にありました。それらの建物から、街中とはいえ、全く違う場所のビルの3階に、この「マザーズひろしま」が設置されますが、外からも見えづらく、一般の方がそれを知るのはなかなか容易ではありません。
 まずは、この施設を利用していただくために、多くの方に知っていただくことが一番大切なことであると思いますが、「マザーズひろしま」の広報について、どのように取り組んでいかれるのか、商工労働局長にお伺いします。


 【商工労働局長答弁】
 「マザーズひろしま」につきましては,できるだけ多くの方々に,気軽に利用していただけるよう,広島市内中心地の利便性の高い場所に設置をするとともに,国と連携をいたしまして,積極的に広報いたしていくこととしております。
 広報につきましては,リーフレットを作成し,公共施設や大型ショッピングセンターで配布をするほか,県の広報番組,ホームページ,ツイッター,「キッズメルマガ」や「ひろしまジョブサイト」でのメール配信など,様々な広報媒体を活用して周知を図って参ります。
 さらに,潜在的な利用ニーズが高いと見込まれる幼稚園や子育て支援施設への情報提供など,効果的な広報活動に努めて参ります。




(2)「しごとプラザ マザーズひろしま」の運営時間について

 
【質問】
 次に、「しごとプラザ マザーズひろしま」の窓口の運営時間であります。国の機関が関係するため、窓口は平日の運営のみで、時間も午前8時30分から午後5時15分までとなっています。全く仕事をしていない人のみを対象とした時間帯ですが、パートや仕事をしながら、もっと条件のよいところを探す方も多くおられると考えられます。
 利用者目線に立ち、より使いやすい時間帯についても検討の余地があると思いますが、窓口の土日開設や時間延長について、どのように考えておられるのか商工労働局長にお伺いします。


 【商工労働局長答弁】
この施設は,就職を希望している女性を主な対象と考えているため,現在,平日の8時30分から5時15分までとしておりますけれども,開所時間など運営の弾力化につきましては,利用者の声や実態を踏まえながら,今後検討すべき課題であると認識をいたしております。




(3)女性が働きやすい企業の周知について

 
【質問】
 「マザーズひろしま」を利用される女性が、より働きやすい職場を探すことができるための工夫について伺います。県では、「仕事と家庭の両立しやすい企業」の登録を行い、企業に対して啓発を行っています。平成24年2月末現在、登録された企業は500社を超えています。企業内保育を完備しているとか、育児休暇が長く取れるとか、ワークライフバランスについての取組が活発な企業を分かりやすく利用者に示すことにより、女性は働きやすい企業を探しやすくなりますし、企業にとってもより長く働いてくれる女性を採用しやすくなります。
 女性と企業、双方のマッチングをスムーズにするためにも、女性が働きやすい企業を、「マザーズひろしま」の利用者に対し、分かりやすく周知させる工夫が必要ではないかと思いますが、どのように対応されるのか商工労働局長にお伺いします。


 【商工労働局長答弁】
 本県では,「仕事と家庭の両立支援企業登録制度」や,「男性育児休業等促進宣言企業登録制度」を設けておりまして,登録企業につきましては,県のホームページに掲載をし,企業名をはじめ,業種・所在地等で検索できるシステムにいたしております。
 「マザーズひろしま」の利用者に対しましても,窓口での相談業務を通じまして,適宜システムを活用し,利用者への情報提供を行いたいと考えております。
 さらに,「マザーズひろしま」の利用者にとってニーズが高いと思われる職場環境などの情報の充実や,その提供等につきましては,国と県で設置しております運営協議会の場で検討して参りたいと考えております。


場所の周知や利用時間の弾力化を含め、利用される方々の使い勝手の良い施設になっていきますよう要望しておきたいと思います。



(4)在宅ワークなど女性の多様な働き方の促進について

 
【質問】
 結婚、出産、子育てとライフステージが大きく変化する女性にとって、いつまでも働ける環境整備とともに弾力的な働き方も重要です。家庭の事情により、どうしても長い時間家を空けられない人には、短時間ワークを受け入れてくれるところも必要ですし、場合によっては、家の中で、できる仕事も選択肢の一つです。
 在宅ワークなど女性の多様な働き方の促進について、今後、どのように取り組まれようとしているのかについて、商工労働局長にお伺いします。


 【商工労働局長答弁】
 女性のライフステージに応じた多様な働き方を,きめ細かく支援をしていくことは,女性の社会参画の促進等の観点から,極めて重要であると考えております。
 このため,企業に対しまして,一般事業主行動計画の策定支援を通じまして,短時間勤務制度や在宅勤務の導入など,働きやすい職場環境の整備促進を図っております。
 また,今般開設をいたします「マザーズひろしま」におきまして,できるだけ個々の事情に応じた働き方ができるように,きめ細かな相談業務を行うとともに,子育てサポートステーションを活用いたしまして,女性の就業意識を高めるためのワークショップを開催するなど,様々な取組を進めて参ります。




(5)子育て世代の女性が継続就労しやすい環境の整備について

 
【質問】
 わたしは、子育て世代の女性の継続就労を推進するためには、やはり、育児休暇と休暇中の所得保障が必要であると思います。昨年、知事の育休宣言は大きなインパクトとなり、ひとつの流れを作ったように思います。
 育児休暇の取得促進と休暇中の所得保障など、子育て世代の女性が継続就労しやすい環境の整備のため、今後どのように取り組まれるのか、知事のご所見をお伺いします。


 
【知事答弁】
 女性の社会参画を促進するとともに,多様な人材を確保するという観点から,子育て世代の女性が就労しやすい環境の整備を行うことは,極めて重要であると認識をしております。
 このため,県では,これまでキャンペーンなどを通じた事業主をはじめとする県民の意識啓発や,育児休業の取得促進,保育施設の整備促進などに取り組んで参りました。
 さらに,新年度におきましては,働く女性の就業継続を支援するための研修会等の実施や,女性が安心して働くことができるよう,待機児童解消に向けた取組を強化するとともに,多様な保育ニーズへの対応につきましても充実を図って参ります。
 なお,育児休業中の所得保障につきましては,国の育児休業給付制度の見直しも行われておりますので,利用者への一層の周知を図って参りたいと考えております。
 今後とも,国,市町をはじめ様々な主体との連携を一層強化をして,就業意欲のある女性が,仕事と子育てを両立しながら働き続けることができる社会の実現に向けて,全庁をあげて取り組んで参ります。



将来的には、男女とも一人一人が多様な働き方を認識し、選択していけるような仕組みを、さらに充実させていただくことを要望して、次の質問に移ります。



4 性暴力被害のワンストップ支援センターの設置について

 
【質問】
 次の質問は、性暴力被害のワンストップ支援センターの設置についてでございます。
 国の第二次犯罪被害者等基本計画に、性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置推進が明記されています。
広島被害者支援センターにおいて、2011年電話相談は、性的被害が14%であります。本県における過去五年間の全刑法犯が減少していく中で、性犯罪については増え続けている現状にあります。しかも、最も被害にあったことを人に言いにくい犯罪だからこそ、被害者の心の傷は、計り知れないものがあります。
 こうした中、愛知県には、昨年、病院内に性犯罪被害者対応拠点として、「ハートフルステーションあいち」が設置されております。ここでは、病院内の一室に女性支援員や女性警察官が常駐し、相談、付き添い、医師や警察、弁護士等への連絡調整が行われており、被害者が、繰り返し、同じ話しをしなくても済むよう、二次被害を防止したり、更には、そうした被害申告をためらって適切な証拠採取を逃す恐れを防止する役割を担っています。こうした拠点の取組により、性犯罪被害者の負担の軽減及び捜査活動の有効な推進が期待できます。
 愛知県のほか、大阪府、東京都、沖縄県には、このような施設が既に設置されており、さらに、北海道でも、検討されているようです。神奈川県では、「かながわ犯罪被害者サポートステーション」がワンストップ支援センターとしての機能も持ち、大学と連携して、専門的な人材育成にも取り組んでおります。
 こうした取組を検証し、国は、今年度中に「ワンストップ支援センターの開設・運営の手引き」を作成するようです。
 本県においても、いち早く、こうした動きに反応していただきたいと思います。
そこで、性犯罪被害者のワンストップ支援センターの設置について、どのような認識をお持ちなのか、知事にお伺いします。



 【知事答弁】
 本県におけます性犯罪被害者を含む犯罪被害者に対する支援については,県に設置しております「広島県犯罪被害者等支援総合窓口」や県警本部の「性犯罪相談110番」などによる相談対応のほか,公益社団法人広島被害者支援センター,弁護士会,医師会などにおいても,それぞれの立場で対応しているところでございます。
 とりわけ,公益社団法人広島被害者支援センターにおきましては,電話や面接によって相談を受けて,被害者のニーズに応じ,
・医療機関の紹介,あるいは,
・警察との連絡調整
・臨床心理士によるカウンセリング
・弁護士による法律相談
・警察・裁判所等への付添い 
などが行われております。
 「性犯罪被害者のためのワンストップ支援センター」につきましては,現在,ご指摘のように,内閣府において,適切な支援体制となるよう構成要員,設置場所,設備などについて検討が行われておりまして,この検討結果を基に「ワンストップ支援センター開設・運営の手引き」が示されるものと伺っております。
 県としては,この手引きを参考にしながら,県の役割も含めて,性犯罪被害者に対するワンストップ支援のあり方について,検討する必要があると考えておりますが,先ずは,より効果的な支援が行えるように,関係機関あるいは団体との連携強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。



 女性に対する性犯罪は、重大な人権侵害であり、これに対する取組を強化していただくことをお願いして、次の質問に移ります。



5 脳脊髄液減少症対策について
(1)脳脊髄液減少症対策の推進について


 
【質問】
 最後に、脳脊髄液減少症対策について質問します。
脳脊髄液減少症とは、交通事故や激しいスポーツなどで強い衝撃を受けることにより、脳脊髄液が漏れて、減少し、頭痛、腰痛、めまい、うつ症状、倦怠感など様々な症状が複合的に発症する病気であります。これまで、この病気については、基礎的な研究が大きく立ち遅れていたため、「怠け病」あるいは「精神的なもの」と判断されるケースが多く、患者の苦しみは計り知れないものがあります。昨年の10月には、第70回脳神経外科学会学術総会において、整形外科学会を含む関連8学会承認のもと、「脳脊髄液漏出症の診断基準」が発表され、さらに、厚生労働省研究班は保険適用に向けての前段として「先進医療」の申請準備を開始しました。
 本県は、治療を受けられる病院をホームページで公表しており、昨日12日には専門医を招き関係者を対象に研修会を開催されたところです。把握されている患者は県内で約
300人程度と聞いておりますが、まだ、適切な治療が受けられず、苦しんでいる人も多くおられると思います。
 県内医療施設、特に整形外科への診断基準の啓発などを積極的に実施し、脳脊髄液減少症の対策を推進していくべきであると考えますが、健康福祉局長のご所見をお伺いします。


 
【健康福祉局長答弁】
 脳脊髄液減少症につきましては,平成19年度から,厚生労働省の研究班で研究が進められており,その成果の一部として昨年10月に,御指摘のとおり脳脊髄液減少症の一類型である脳脊髄液漏出症の診断基準が発表されたものと承知しております。
 このような状況を踏まえ,昨日,保健所や市町の職員等が,患者や家族からの相談に適切に対応できるよう,同研究班のメンバーである医師や難病専門相談員を講師に迎え,研修会を開催したところでございます。
 今後は,医師会等関係機関と連携し,脳脊髄液漏出症の診断基準の医療機関への周知を図るとともに,保健所等における患者や御家族からの相談体制,さらには最新情報の提供体制の整備に取り組んで参りたいと考えております。




(2)脳脊髄液減少症の啓発について

 
【質問】
 この脳脊髄液減少症は、子どもが体育の授業やクラブ活動中のけがや、しりもちなどでも発症することがあるそうです。新年度からは、柔道が必須科目にもなり、このことについては、学校関係者の関心も高くなってきているようです。先ほどあげた脳脊髄液減少症による倦怠感や頭痛、めまい等は、それが原因であることが分かりにくく、その後、不登校やひきこもりになるケースもあるようです。しかし、15歳以下の子どもは、発症から
一年以内に治療すると、改善する割合が九六%にのぼることも、最近の調査で分かりました。すなわち、早期発見による治療が重要であります。
 こうしたことからも、学校で、教師や保護者を対象に、脳脊髄液減少症についての知識等の啓発をすることも必要ではないかと思いますが、教育長のご所見をお伺いします。


 
【教育長答弁】
 脳脊髄液減少症については,まだ,一般に広く知られていないことから,教育委員会といたしましては,養護教諭研修や保健主事研修において,この疾患への理解を深め,事故が発生した場合には,保護者に対して,疾患の可能性を示唆し,医療機関への受診を促すなど,適切に対応するよう指導しているところでございます。
 保護者への啓発につきましては,各学校に対し,この疾患の関連情報を保健だより等で紹介するよう指導するとともに,教育委員会のホームページに掲載するなどにより,周知を図って参りたいと考えております。



 これから、是非よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、国際平和拠点広島構想について、意見を申し上げたいと思います。
 被爆都市を抱える広島県としても、主体となって、ヒロシマの果たすべき使命と役割を担うということは極めて大切なことだと思います。この理念を、力強く推進し、広島市が取り組む平和政策との相乗効果で更に世界に発信していただきたいと願っております。
 更に、広島に集積された放射能の研究が、
フクシマの人たちの安心と希望のために、還元していかれますよう要望致しまして、質問を終わります。