2010年2月24日       

2月議会 代表質問
「ひろしま県議会だより」(PDF形式)を見る≫
1. 核兵器廃絶に向けた具体的な取組について
2. 「安心な暮らしづくりへの挑戦」について
2-(1)-ア. 家族が安心できる介護の実現について
2-(1)-イ. 認知症に関する体制整備について 

   
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2-(2)-ア. 「みんなで育てるこども夢プラン」における県が担うべき役割について
2-(2)-イ. 「子どもの貧困」への認識と対応について
2-(2)-ウ. 社会的配慮が必要な子どもへの環境整備について
   
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2-(3)-ア. がん検診無料クーポンの利用促進等について
2-(3)-イ. 子宮頸がんワクチンの公費助成について
2-(3)-ウ. 受動喫煙の防止対策について
3. 教育現場における福祉的視点に立った取組等について
3-(1). スクール・ソーシャル・ワーカーの積極的な配置について
3-(2). 「生き抜く力」を育む教育について
4.  一人暮らしの女性の安全対策について



1. 核兵器廃絶に向けた具体的な取組について

問:
 質問の第1は核兵器廃絶に向けた具体的な取組についてお伺いします。
 知事は,これまでマニフェスト等において,広島が平和に関する世界の中心となり,国際平和に貢献するとともに,広島県の新たな活性化につながる方策を検討したいと考えていると述べておられます。
平成22年度当初予算における平和行政の関係予算は,平成21年度と同様に,ユニタール広島事務所の支援に関する事業などで,約1億円程度と伺っています。
県議会では,12月議会におきまして,「核兵器の廃絶と恒久平和を求める決議」を全会一致で行い,被爆65周年に当たる,本年の核兵器不拡散条約運用検討会議において,実効ある核兵器廃絶が合意されるべく,全世界が核軍縮,不拡散に取り組むことを県議会の意見として要請したところです。
オバマ大統領のプラハ演説以降,核廃絶への流れが大きく加速し,その声は大きくなってきています。
既に,長崎県では,市と連携して「核の傘」を議論する市民集会を開催し,被爆地でのオリンピック開催を求めている広島市では,「核のない世界へ」との声を世界の大多数の声にしようと「オバマジョリティー」の造語や,公式ロゴマークまでつくり呼びかけをはじめました。
知事がおっしゃるように,広島が平和に関する世界の中心となり,国際平和に貢献して行くことは,本県の新たな活性化につながると考えます。
核廃絶の大きなうねりの中で,初めて核の被害を受けたこの広島から,今こそもっと,発信して行くべきではないでしょうか。
平和については,広島市長とも,しっかりと連携を取りながら,県市合わせてカタカナの「ヒロシマ」としてリーダーシップをとっていただきたいと強く望みます。
核廃絶のプロセスは,世界の指導者たちに1人でも多くこの広島を訪れ,二度と核を使用してはいけないとの思いを強くする平和の連帯の中でしか,その道筋はつけられないと考えます。
そうした意味からも,「5年後の原爆投下から70年に当たる2015年に核の時代に終止符を打つ」との強い決意を込めて,全世界の首脳が集う「核廃絶サミット」を広島で行うべく,今から戦略的に活動を始めてみてはどうかと考えますが,いかがでしょうか。
今月22日から,広島市において日本APEC広島高級実務者会合が開催されています。期間中,国の内外から約1,000人もの関係者が広島を訪れます。
まずは,こういった国際的に重要な会議を,広島市と協力して,1つでも多く広島で開催できるよう積極的に取り組むことから始め,1人でも多くの人に広島に訪れていただき,核兵器の悲惨さを感じてもらう。こうしたことがやがては,世界の指導者たちを動かすことにつながると思います。
そこで,まず,ヒロシマの知事として,平和に対してどのような思いを抱いておられるのか,又,知事の考える核兵器廃絶のプロセスとはいかなるものか御所見をお伺いします。

答:(知事)
 人類最初の原子爆弾の惨禍を経験した本県が,世界平和の実現に向けて果たすべき役割は,極めて大きく,私は,広島県の知事として,核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現に,積極的に貢献して参りたいと考えております。
 核兵器の廃絶のためには,広島からメッセージを粘り強く世界に向けて発信し,機運を醸成していくと同時に,地域紛争や災害からの復興支援など,国際社会の平和と安定に向けて,取り組んで行くことが必要だと考えております。
 核兵器の廃絶に向けた取組としましては,現在,開催中の日本APEC広島高級実務者会合に先立ちまして,参加者に対して核兵器廃絶を要請したほか,昨日も,訪問を受けましたインド及びインドネシアの総領事に対して,個別に要請を行ったところでございます。
 また,本年5月に開催されます核兵器不拡散条約運用検討会議に向けまして,核兵器保有5ヶ国の首脳や日本政府に対し,核兵器廃絶への取組を要請するなど,今後とも ,あらゆる機会を通じまして,世界平和の実現に向けて,積極的に取り組んで参ります。
 なお,御提案のございました,全世界の首脳が集う「核廃絶サミット」についてでございますが,これは,国家レベルの対応が不可欠なものであるというふうに考えます。県としてどのように関われるか,情報を収集して参りたいと考えております。

2. 「安心な暮らしづくりへの挑戦」について

問:
 質問の第2は,「安心の暮らしづくり」への挑戦についてお伺いします。
 医療,福祉,子育てなどは,暮らしに直結した課題として最も重要な取組です。

 特に次世代を託す子どもに関する予算は,広島県を支える長期的な人づくりの観点からも,今後更に力を入れていくべきだと考えます。

 また,これからの少子高齢化社会の中では,全てを公助でやることは,大変難しくなって行くと思います。
 自助を基本に共助も取り入れ,地域の資源や活力を生かしていくという視点が求められます。
 自助,共助,公助の調和した地域で支える「協働型福祉社会」の構築こそ,新しい仕組みづくりの要であると考えます。
 そうした視点を持ちながら,何点か質問させていただきます。

(1)家族が安心できる介護の実現等について
ア 家族が安心できる介護の実現について


問:
高齢化社会の急速な進展の中で,介護問題は極めて重要な問題です。
団塊の世代が75歳を超える2025年には,高齢者人口は全人口の3割に当たる3600万人ともいわれています。
私たち公明党では,昨年の11月〜12月にかけて全国の3000名あまりの議員が「介護総点検」を展開し,介護現場から多くの悲鳴にも似た声をいただきました。
特に,施設で介護を受けたいのに何年待っても施設に入れない施設待機者の問題,悪戦苦闘しながら老老介護をしている高齢者夫婦の実態などは,大変深刻な課題です。
県内にも,昨年8月の時点で7,766人の「待機者」がおり,その内,自宅で常に介護が必要となる要介護度3以上の方は4,127人に上っていることがわかりました。
又,介護施設で働く人たちからは,将来の展望が持てないなど切実な声もいただき,介護現場はニーズが高まる中にあって,ますます混迷を極めていると実感しました。
 今後,党として新介護ゴールドプランに反映させ,政府に対して,政策提言をして行く予定にしています。
我が会派では,1月25日に「家族が安心できる介護の実現に係る要望書」を知事に渡しました。
国の動きもありますが,若い人たちの介護人材の確保も含め,県でできることは,あらゆる部局と連携しながら更に力を入れていただきたいと思います。

そこで,まず,今後の高齢化社会において,家族が安心できる介護の実現に向けてどのように取り組もうとされているのか知事の御所見をお伺いします。

答:(知事)
 今後さらなる高齢化が見込まれる中で,高齢者や家族が安心できる介護を実現するためには,介護サービス提供体制の整備は,早急に取り組むべき重要な課題であると認識しております。
 このため,昨年3月に策定いたしました「ひろしま高齢者プラン」におきまして,「安心できるサービス提供体制づくり」を重点目標のひとつに掲げまして,介護サービスに関わる基盤整備や,人材の確保などの施策に取り組んでいるところでございます。
 このうち,介護サービスの基盤整備につきましては,できる限り住み慣れた地域で生活できるよう,自宅で受けられるサービスの充実に取り組みますとともに,常時介護が必要で自宅等で暮らすことが困難な方に対する特別養護老人ホームなど,介護保険施設等の計画的な整備に取り組んでおります。
 また,介護人材の確保につきましては,専任職員による介護人材就業支援プロジェクト・チームを昨年4月に設置をいたしまして,介護職員の離職防止,定着促進,新規参入に向けた取組を全庁的に進めて,10月からは,介護職員の賃金改善を行う事業所に対して助成を行っているところでございます。
 県といたしましては,「ひろしま高齢者プラン」に掲げる施策を,介護保険の運営主体である市町や,事業者,地域の関係団体とも連携しながら着実に推進し,高齢者や家族が安心できますよう介護サービスの充実に努めて参ります

イ 認知症に関わる体制整備について

問:
介護が必要になってくる人たちの中で,特に家族がとまどう症状に認知症があります。
高齢者人口の増加とともに,認知症の症状を有する人は,ますます増加してくると思いますが,その始まりは突然やってきます。
はじめは,家族もよく分からず,ましてや,本人もほとんどそうした症状には気付かず,見過ごされるケースも多いようです。
また,認知症だと家族が理解できるまでには,あらゆる苦悩や葛藤が生まれ,それが家族の崩壊にもつながるくらい,その対応や見守りは大変です。
病状は改善しないとされているだけに,いかにその状態の進行を遅らせ,本人の生活の質を維持していけるのか,誰もが直面する深刻な事態です。

神奈川県では,この度,認知症の専門医療及び医療と介護との連携の核となる「認知症疾患医療センター」と認知症介護の経験者などが相談に応じる「かながわ認知症コールセンター」を開設しました。
関係機関が連携して早期診断を促進し,適切な医療や介護サービスを提供できる体制づくりが急がれます。

又,認知症の病状を理解し,患者や家族を支えるため,厚生労働省が進めている「認知症サポーター」の養成が,5年で100万人の目標を大きく上回り,昨年までに全国で147万人が登録されたことからみても,その関心の高さが伺われます。
更に,社会全体で支援していく体制が必要です。

そこで,認知症患者の早期発見,治療,患者や家族に対する相談支援体制の強化,家族が認知症を疑ったときに,まず,ワンストップで連携を取ることができる体制,更には,関係機関のネットワークづくりなどについて知事の御所見をお伺いします。

答:(健康福祉局長)
 認知症は誰でも発症する可能性のある病気であり,誰もが自らの問題として認識し,地域社会全体で認知症の人と家族の生活を支える取組へと展開することが重要であると考えております。
 このため,県といたしましては,外部有識者による「認知症地域支援体制推進会議」を設置し,昨年度には認知症対策の今後の方向性等を取りまとめ,医師会や家族会などの関係団体をはじめ,市町と連携して,総合的な認知症対策の推進に向けた積極的な事業展開を図っているところでございます。
 来年度は,医師会等との連携による相談体制の充実や,認知症サポーターの養成などに加え,新たに,「認知症疾患医療センター」を設置し,この医療センターと連携する地域包括支援センターに認知症ケア担当者を配置する,「認知症医療・介護連携強化事業」に取り組みますとともに,地域住民による見守りネットワークの構築等を行う市町へ継続して支援することとしております。
 県といたしましては,認知症への対応は,高齢者施策の重要な柱であると認識しております。認知症となっても,その人らしく尊厳を持った生活が継続できるよう,今後とも,認知症にやさしい地域づくりに取り組んで参ります。

(2)「みんなで育てるこども夢プラン」の策定について
ア 「みんなで育てるこども夢プラン」において県が担うべき役割について


問:
 次に,新たな「子ども夢プラン」である「みんなで育てるこども夢プラン」の策定についてお伺いします。
子どもたちは,「広島の宝」,「広島の力」であると大人がしっかり自覚し,あらゆる面で全ての子どもたちをサポートして行く体制が必要です。
特に,子どものライフステージごとの支援,特に経済状況悪化に伴い影響を受ける子どもたちへのセーフティーネットの構築につきましては,真剣に取り組んで頂きたいと思います。
最近,育児をする男性のことを「育メン」と呼ばれていますが,ご存知でしょうか。
これは,育児を積極的にする男性のことで,そうした男性はかっこいいという機運を広めて行こうというものです。
先進国の中で,男性が育児に関わる時間が最も低いのが,残念ながら日本のようですが,私は,幼い子どもの父親でもある知事こそ,広島県の「育メン」の先頭に立ってほしいと願っています。
知事の力強い子育てメッセージが待たれるところです。
子どもの一番かわいい時期を女性に独り占めさせるのはもったいないと若い男性の意識も変化し始めています。
しかし,そのように思う男性が増えてきたにも関わらず,長引く経済状況の悪化もあいまってか,なかなか育児休暇をとる男性が増えてこないのは大変残念なことです。
県としても,その方向に誘導して行く施策も必要だと思いますし,県庁にもそうした男性が増えてほしいと思います。
育児休暇も男女を問わず,普通に取れる社会になってほしいと思います。
さて,人をケアすること,特に育児においては,一番身近な基礎的自治体といわれる市町が第一義的には取り組むことで,住民サービスがより向上すると思います。
子育て支援という親も含めた支援は,市町で,そして県では,生まれてきた子どもを大切に育てるという「次世代育成」に力を入れていくべきではないかと思います。
どんな環境にある子どもも,やがては大人となり,今の私たちを支えてくれる存在となることを考えると,子どもへの投資は未来への投資として一番大切な視点ではないでしょうか。
県においては,今後,子どもに関する政策の土台となる,新たな計画として「みんなで育てるこども夢プラン」を策定されると聞いています。
県,市町,事業者で連携するのは当然のことですが,それぞれが担う分野を明確にして取り組むことが必要と考えます。
そこで,「みんなで育てるこども夢プラン」における,県の担うべき役割について知事の御所見をお伺いします。

答:(知事)
 活力ある広島県を実現するために,子育ては重要な課題であると認識しており,関係者と連携しながら,子どもがいきいきと育ち,子どもたちの声があふれるまちづくりを進めたいと考えております。
このため,今年度中に策定する新たなプランには,子どもの幸せを第一に考えて,子育てを男女がともに担うという「基本姿勢」のもとで,夢や希望を持ち挑戦する意欲に満ちた子どもをみんなで育てることを「めざす姿」とした,子育て応援メッセージが発信できる内容を盛り込みたいと考えております。
 県の役割といたしましては,県全体の子育てしやすい環境づくりをリーダーシップを発揮して牽引することでございます。
 このため,県民を挙げて,子育てをみんなで応援する機運づくりを行いますとともに,企業やNPO,市町による地域ぐるみの子育て応援の取組を支援して参ります。
 さらに,保育所整備に加えまして,事業所内保育施設の整備,男性の育児休暇取得を支援する取組など,働く人がより積極的に子育てできる環境を整備して参ります。
 お話にございましたとおり,私自身,子育て真っ最中でございまして,育児に熱心な父親である「育メン」を私も目指していきたいと思います。積極的に子育て応援の場に出向きまして,子育ての楽しさや素晴らしさを呼びかけていきたいと思います。「子育てするならわがまちで」と誇れる広島県づくりを進めて参りたいと思います。

イ 「子どもの貧困」への認識と対応について

問:
次は,「子どもの貧困」への認識と対応についてお伺いします。
厚生労働省が約45年ぶりに発表した貧困統計によると,相対的貧困率は社会全体の15.7%で,子どもは14.2%と,実に7人に1人は貧困であるとの数値が示され,大きな衝撃を受けました。
「昔はもっと貧しかったではないか」とか「今だって日本よりも貧しい国はたくさんある」という反応がまだ多く,なかなか現実に「貧困がある」ということが共有されていないように思います。
貧困の基準は時代や地域によっても大きく異なりますが,現在,先進諸国における貧困を比較する上で,OECDすなわち経済協力開発機構は「相対的貧困」という尺度に基づいて貧困率を算出しています。
「相対的貧困」とは,その人が生活する国や社会において,「社会に認められる最低限の生活水準」に達していない状態をいいます。
世帯ごとの年間所得から,税や社会保険料を引いた1人当たりの可処分所得を出し,その中央値の半分を貧困ラインに設定しています。
今回の政府の調査では,中央値が228万円でしたから,1人当たりの自由に使えるお金が年間114万円未満の人が全体の15.7%いるということになります。
しかも,この数字は,2006年に行った調査の結果ですから,一昨年のリーマンショック以後の景気悪化を考えると,この数値が更に上がっているのは,間違いありません。
まして子どもは,大人が置かれた環境がそのまま反映されますので,貧困状態の子どもたちは,5人に1人ぐらいの割合になることが予想されます。
今回,次世代活力強力化対策特別委員会の参考人として国立社会保障・人口問題研究所の阿部 彩さんにきていただき,「子どもの貧困の実態」を伺いました。
なぜ,子どもが「相対的貧困」であることが問題なのか?それは,今の日本が格差社会であり,機会の平等も達成されていないからであるとしながら,短期的には,子どもの成長,学力,健康への影響,虐待,障がいに対する対処,長期的には,進学や就職,犯罪率などにも影響があるとの指摘がありました。
結果的に,成人以降も不安定な生活に陥る可能性が非常に高くなり,「貧困の再生産」につながって行く懸念は大いにあります。
格差に左右されない福祉と教育の保障の仕組みが大切です。
大人になってからも,貧困から抜け出せない人たちが世の中に増えて行くと,将来はどうなるのでしょうか。
私たちが,年をとったときに支えてくれるのは,今の子ども世代です。
今,貧困状態にある子どもを切り捨ててしまうと,将来自分たちが困るばかりでなく,その対応に係る行政コストは,計り知れないものがあると思います。
「子どもの貧困」は,まさに今,大人が真剣に取り組まなければならない重要テーマです。
特に,一人親家庭では,必死で働いても,半分以上が貧困状態である実態も直視しながら,こうした方々への支援ももっと積極的に行うべきだと考えます。
この度の「みんなで育てるこども夢プラン」の策定に当たり,どのくらいこうした状況下に置かれた子どもたちが現実にいるのか,実態把握をしておられるでしょうか。
本来はこうした調査をきちんとした上で,対策を立てて行くのが筋ではないかと思います。
そこで,「みんなで育てるこども夢プラン」の策定において,貧困状態の子どもたちのことをどのように認識しているのか,またそうした子どもたちへの支援は,このプランにどのように反映しようとされているのか知事にお伺いします。

答:(知事)
 子どもたちは,社会の宝として,生活を等しく保障され,愛情を受けながら健やかに育成されるべきでございまして,親の経済力や幼少期の生育環境によって格差が生じて,それがまた,固定化することがないように社会全体で子育てを支えていくことが重要であると認識しております。
 このような中,国におきましては,社会保障制度の一環として,現在,子ども手当の創設や父子家庭への児童扶養手当の支給,生活保護における母子加算の復活,そして学習支援費の創設など,経済的な支援を行うこととしております。
 県におきましても,貧困により子どもの健やかな育成が妨げられることのないよう,新たな「こども夢プラン」において,生活福祉資金の貸付要件の緩和や私立高校等の授業料の減免制度の拡充などの経済的負担の軽減を図りますとともに,地域における相談体制の整備など,社会的に支援が必要な子どもと家庭に対する施策を行うこととしております。
 今後とも,国の社会保障制度や税制度など,子どもと子育て家庭に関する施策の動向を注視しながら,市町や関係者との連携も図り,子育て支援の充実に取り組んで参ります。

ウ 社会的配慮が必要な子どもへの環境整備について

問:
次に,社会的配慮が必要な子どもへの環境整備についてお伺いします。
1989年に子どもの権利条約が国連で採択され,5年後の1994年に日本でも批准されました。
ここでいう「子どもの権利」とは,「誰もが認める当たり前の意思やニーズ」ということであり,子どもが生まれながらにして持っている基本的な権利をいいます。
その意義の中に,特別な権利保障を行うこと,つまり,生存,発達の確保,虐待からの保護などがあります。
そしてその理念には,子どもの最善の利益の確保,すなわち,子どもに関係あることを行うときには,子どもに最も良いことは何かを第一に考えなければならないとあります。
しかし,近年,親から虐待を受けるなどして,親元で暮らせなくなる子どもたちが増えていることは,とても残念であり,痛ましいことです。
そうした子供たちは,こども家庭センター等において,乳児院か児童養護施設,里親,あるいは,新たに法改正された里親機能を活用したファミリーホームへ措置されます。
しかし,平成20年度末で,県内で,措置された子ども800人程度のうちの9割以上の子どもたちは施設への入所を余儀なくされています。
里親が少なかったり,そのマッチングが難しかったり,様々な課題があることも承知しておりますが,広島県の里親委託率は6.0%と,全国平均の10.4%と比べて低い状態が続いています。
一昨年,児童福祉法が改正され,社会的配慮が必要な子どもの受け皿として,里親機能を活用したファミリーホームが新たに制度化されましたが,本県では,この2月1日に,やっと呉に誕生しました。
ファミリーホームは,虐待をした親が,子どもと緊密な関係になる里親を嫌がるなど,なかなか家庭的な雰囲気の中での子どもの養育が困難な施設に代わり,5〜6人の子どもを里親を含む職員が養育して行く制度を言います。
ファミリーホームでは,提出を求められる書類の多さや施設の整備,人の配置などなかなか容易に解決できない課題も出てきています。
子どもたちの成長には,幼いときであればあるほど家庭的な雰囲気の中での日常生活の何気ないやり取りは,とても大きな影響を与えます。
多くの大人たちが,そうした子どもたちへの関わりを大事にしてほしいと思います。
大切なことは,社会的配慮が必要な子どもたちのために,どのような養育環境がよりふさわしいか見極め,適切に配慮して行く人の問題と,受け皿の多様化と仕組みづくりではないでしょうか。
施設の運営も,里親の取組も,子どもたちへの温かいまなざしと,覚悟がなければできないことです。
施設の職員や,里親の方々ともしっかり連携をして,全ての子どもたちが安心して養育され,愛情を持った大人に育てられる環境の整備に全力で取り組んでいただきたいと思いますが,知事の御所見をお伺いします。

答:(健康福祉局長)
 昨今の急速な雇用情勢の悪化など,社会経済状況の大きな変化の中で,家庭や地域の子育て機能は低下し,親からの虐待をはじめ様々な事情で社会的な支援が必要な子どもたちが増加しておりますことから,今まで以上にきめ細やかな対応が求められております。
 議員ご指摘のファミリーホームにつきましては,新しいタイプの施設として今後重要な役割を果たしていくものと認識しており,県といたしましても,新たな「こども夢プラン」において,子どもが家庭的な雰囲気のなかで自立できるよう,里親や里親機能を活用したファミリーホームの設立促進を盛り込んでおります。
 さらに,児童養護施設におきましては,子どもの発達段階に応じた手厚い養育の実現など,家庭的養護を拡充いたしますとともに,子どもの自立支援の強化などの取組を推進して参りたいと考えております。
 また,生活環境や学習環境などの整備を図りますとともに,子どもの支援の担い手となる人材の育成や関係機関との連携を強化することなどにより,引き続き,社会的養護を必要とする子どもへの支援を推進して参ります。

(3)がんの予防対策について
ア がん検診無料クーポンの利用促進等について


問:
 続きまして,がんの予防対策についてお伺いします。
 まず,がん検診無料クーポンの利用促進等についてお伺いします。
 今や,3人に1人はがんで亡くなるというくらい,がんは身近な病になり,早期発見が盛んに叫ばれています。
 しかし,多くの先進国で罹患者が減少している中,増加の一途をたどっているのは子宮頸がんと乳がんなどであります。
 この女性特有のがんは,日本での検診受診率は約20%と欧米の70%〜90%に比べ非常に低い状況です。
 自覚症状が出て,初めて病院を訪れる人が少なくないため,乳がんでは毎年約1万1千人,子宮頸がんでは,約2500人もの方が生命を落としています。
 しかも,20代から40代という比較的若い世代の死亡率が上昇し,検診の進んだ欧米では,とうてい考えられない状況です。
国においては,こうした状況を踏まえ,平成21年度第1次補正予算で,一定の年齢の方を対象に,乳がん,子宮頸がん検診の「無料クーポン」を配布しました。
乳がんは40歳から60歳の女性を対象に5歳おきの対象年齢の方に,又,子宮頸がんは20歳から40歳までの5歳おきの女性に支給され,クーポンを利用し,検診を無料で受診できるもので,県内では約10万人の方の自宅に,このクーポンが届いています。
しかし,来年度の政府予算では,こうした女性特有のがんの無料クーポンを継続するとしていますが,半分は地方交付税となり,大変継続しにくい状況になっています。
女性の命が懸かっているにも関わらず,補助金を半減した対応は大変残念なことであります。
受診率を上げていくことを目的としたこうした取組は,是非,続けていくべきだと思いますし,5歳刻みで対象になっていますので,最低でも5年間は継続していただかなければ不公平感も生じてきます。
本県におきましても,全ての市町で継続していただけるよう,是非,支援していただきたいと思います。
また,若い世代のがんの関心の低さや,デリケートな受診への抵抗感などもあり,なかなか進まない女性特有のがんの受診率の向上に力を入れていただきたいと思います。
あまり知られていないことですが,広島県は,乳がんのがん発見率が全国一です。
がんの発見率が日本一だからこそ,検診を受けることにより,早期発見につながる可能性が高いのです。
受診率の向上こそが「がん対策日本一」を目指す本県において,最も重要なことだと思います。
3月1日から8日は「女性の健康週間」として,県内でも様々な催しも企画されています。
あらゆる機会を捉えて県としても,このクーポンの利用促進に取り組んでいただきたいと思いますし,女性の健康づくりにおけるがんの予防検診の重要性をもっと認識していただきたいと思います。
また,大人になってからだけでなく,学校教育の現場においても,がん予防のための教育も生涯にわたる健康保健教育として,積極的に検診するよう指導していただきたいと思います。
そこで,無料クーポン継続への支援とがん受診率向上への具体的な取組について,知事の御所見をお伺いします。

答:(知事)
 県では,がん対策の基本となる「早く見つけて,しっかり治す」,これをキーワードに,先行的に乳がんについて,検診受診率の向上や医療ネットワークの構築など,総合的な施策を積極的に推進しているところでございます。
 また,国の施策に対応しまして,今年度,市町が実施している乳がん及び子宮頸がん検診の無料クーポンの利用促進につきましては,県としましても,関係機関等と連携し,県民に向けたリーフレットの作成・配布,そして,検診機関に対する協力要請等,集中的なキャンペーンを展開しているところでございます。
 さらに,がん全般の受診率向上に向けて,実施主体となる市町や職域との合同の研修会を,来月開催をいたしまして,現状や課題等の認識を共有するとともに,今後の方策についても意見交換をする予定でございます。
 併せて,県民の皆様の意識の醸成も非常に重要でございますので,来年度には,民間企業等と連携・協働して「がん検診へ行こうよキャンペーン」を本格的に展開するとともに,患者団体と連携しまして,きめ細かな普及啓発を推進して参ります。
 県としましては,「がん対策日本一」へ向けた施策を推進するために,来年度から,「がん対策プロジェクト・チーム」を新たに立ち上げます。また,「がん」は,特に,早期発見が重要となる病気であるとの認識にたちまして,県民,検診機関,市町,企業等関係団体と一体となって,無料クーポン券の利用促進を含めて,がん検診の受診率の向上に向けた取組を積極的に推進して参ります。

イ 子宮頸がんワクチンの公費助成について

問:
次に,子宮頸がんワクチンの公費助成についてお伺いします。
近年,若い女性に急増している子宮頸がんは,ウイルスによるものですが,がんの中でもほぼ100%予防できるがんだということをご存じでしょうか。
子宮頸がんは,定期的な検診の受診に加え,12歳前後の女性にHPVワクチンを接種することで,予防することが可能ながんなのです。
国内の12歳女児全員がワクチンを接種した場合,子宮頸がんの発生を73.1%減らせるというデータもあります。
世界では,既に100カ国以上がそのワクチンを承認しており,アジアで未承認の国は,日本と北朝鮮だけという状況でした。
 公明党の強い働きかけにより,昨年の10月に,やっと日本でも承認されましたが,1回1万5千円から2万円と高額なため,3回の接種には,5〜6万円の自己負担が必要となります。
私の住む本川学区では,女性会の方が地域の病院で「健康セミナー」として,子宮頸がんの話を聞く取組を行いました。
多くの方が参加をされ,熱心に学んでおられましたが,ワクチンの自己負担の高さには驚きの声も聞かれました。
 これでは,せっかくワクチンが打てるようになったとしても,使えないワクチンになってしまいます。
既に,多くの先進国,また,アジアでは,マレーシアなどで,国費で無料接種が行われています。
 党として,国にワクチンの公費助成を働きかけていますが,残念なことに若い女性の命のみならず,新しい命をも守ることになるこうした予防ワクチンの取組に,政府は,あまり積極的ではありません。
 埼玉県,新潟県や東京都内などでは,既に独自で公費助成をする自治体も出てきています。
 子宮頸がんに罹患した場合の医療費や労働損失は,ワクチン接種に係る費用の2倍であり,経済的な側面からも費用対効果に優れているともいわれています。
 本県におきましても,国の動向を待つのではなく,予防医学の観点から,是非,子宮頸がんワクチンの公費助成に取り組んでいただきたいと思いますが,御所見をお伺いします。

答:(健康福祉局長)
 子宮頸がんにつきましては,わが国でも女性特有のがんの中では,乳がんに次いで罹患率が高く,とりわけ若年層において,罹患率,死亡率とも増加傾向にあり,検診を中心とした予防が重要であると認識しております。
 このような中,子宮頸がんに多い扁平上皮がんの原因として指摘されるHPV(ヒトパピローマウイルス)に対するワクチンが平成21年,昨年10月にわが国においても承認されたところでございます。
 一方,感染力の強い「麻しん」,いわゆる「はしか」ですが,集団感染の予防の観点などから,公費負担とされておりますが,個人予防に重点をおいたワクチンの接種につきましては,原則として,個人の負担とされているところでございます。
 今回のワクチンにつきましては,個人予防に重点をおいた他の同様なワクチンとの公平性を考慮する必要性がありますことなどから,当面,国の動向などを注視して参りたいと考えております。

ウ 受動喫煙の防止対策について

問:
受動喫煙の防止対策についてお伺いします。
がんの要因として「喫煙」が大きな要素であることは,ご承知のとおりです。
好んでたばこを吸う人は自己責任であるとしても,その煙を吸わされる人に対してもがんへの影響が大きいことは,医学的にも明らかであります。
 2003年に施行された健康増進法によると,受動喫煙の定義は,「室内かそれに準ずる環境で,他人のたばこの煙を吸わされること」としております。
 煙草の煙には,ニコチンや一酸化炭素など有害化学物質が含まれ,健康への悪影響は科学的にも明らかになってきました。
 肺ガンなどのリスクが高まるほか,たばこを吸わない妊婦でも低体重児を出産する可能性が高まるという研究報告があります。
国においても,他人が吸うたばこの煙にさらされる「受動喫煙」を防ぐため,今月中にも自治体に「原則全面禁煙」を促す通知文を出し,業界団体などへの周知を図るとしています。
更に,厚生労働省では,飲食店などの他,官公庁や駅,病院など健康増進法が定める不特定多数の人が出入りする施設,屋外でも子どもの利用が想定される公園などについては,配慮するよう自治体に求めるようであります。
神奈川県では,こうした国の動きに先駆けて,この4月から,条例で受動喫煙の防止に取り組むこととなりました。
学校や病院など,公共性の高い施設では,全て禁煙に,又,職場や飲食店での分煙化の推進など受動喫煙の防止に向けて,様々な工夫がされているようです。
更に,禁煙推進のための医療的な取組も盛んになってきました。
細胞の劣化で起きるといわれる「がん」は,高齢化が進む日本においては,年々,多くなっていくのではないかと危惧しますが,少しでも,こうした危険因子を減らしていくことは,県民の健康づくりにおいても,大変重要であると思います。
県においても,こうした受動喫煙の防止に向けた取組を,がん予防の観点からも積極的に推進して行くべきであると思いますが,知事の御所見をお伺いします。

答:(健康福祉局長)
 受動喫煙につきましては,健康への悪影響が明らかでありますことから,社会全体で防止に向けた取組を推進する必要があると認識しております。
こうした中で,平成15年には健康増進法が施行され,「多数の者が利用する施設を管理する者は,受動喫煙を防止するための必要な措置を講ずること」と施設管理者に努力義務が設けられたところでございます。
このため,県といたしましても,公共施設での分煙・禁煙対策を市町とともに推進し,平成21年度には公立施設で94.5%の施設で受動喫煙の防止対策が行われ,建物内の全面禁煙の割合も8割を超えるまでになりました。
一方,民間施設におきましては,利用者のニーズ等から小規模な飲食店等での実施率が低いため,県では,分煙・禁煙対策を実施している飲食店等を「健康生活応援店」として認証し,県のホームページで紹介することなどにより,民間事業者の取組を支援しているところでございます。
今後は,「健康生活応援店」がさらに増えるように積極的に働きかけますとともに,「ひろしま健康づくり県民運動」の展開の中で,社会全体で受動喫煙の防止に取り組む気運を醸成し,県民の健康づくりに一層努めて参ります。

3 教育現場における福祉的視点に立った取組等について
(1)スクール・ソーシャル・ワーカーの積極的な配置について


問:
質問の第3は教育現場における福祉的視点に立った取組等についてお伺いします。
まず,スクール・ソーシャル・ワーカーの積極的な配置についてお伺いします。
一昨年,学校現場に,スクール・ソーシャル・ワーカーと呼ばれる人たちが,国で予算措置されたのをきっかけに,広島県内にも多く配置され,活躍されていました。
スクール・ソーシャル・ワーカーとは,問題のある子どもたちの家庭と行政サービスをつなぐ役割の人で,主に社会福祉士が担っています。
学校には,社会的環境や経済環境の悪化により,授業を受ける以前の生活環境を必要とする子どもたちが確実に増えてきています。
昨年,国費のモデル事業がなくなり,県内では,わずか広島市と尾道市,安芸高田市の3市のみが市の予算で対応しております。
このスクール・ソーシャル・ワーカーの対応は子どもたちの様々な現実に向き合い,親も含め家庭環境を整える効果が大変大きいと思います。
教育現場にもっと福祉的視点が必要なのではないでしょうか。
教育環境を整えることを全て教師に任せるのは,時間的に考えても無理があると思いますし,一人の子どもに関わり,まず授業を受ける環境までボトムアップさせていくことは,専門的かつ継続的な支援が必要となります。
全ての子どもたちが,幸福になるために教育を受ける権利があり,そのためにはこうした支えは欠かせないものです。
教育を受けるための福祉の専門家としてスクール・ソーシャル・ワーカーを各学校にしっかり配置するべきではないかと考えますが,教育長の御所見をお伺いします。

答:(教育長)

 家庭等に様々な問題を抱える児童生徒を支援するためには,学校が,家庭や,こども家庭センターなどの関係機関と連携することが重要であると認識しております。
 こうした連携を進めるための小中学校へのスクールソーシャルワーカーの配置につきまして,平成20年度におきましては,市町が進める事業として,県内に普及させるためのモデル事業を実施したところでございます。
 今年度におきましては,成果の普及に取り組んでいるところであり,3市においては,その後継事業を実施し,今後拡充を検討している市もあると聞いております。
 県教育委員会といたしましては,学校が,家庭や,こども家庭センターなどと緊密に連携できるよう,家庭訪問指導等支援員を配置することとしており,こうした取組についても,生徒指導フォーラム等の様々な機会を通して,各市町教育委員会に,その成果を普及して参りたいと考えております。

(2)「生き抜く力」を育む教育について

問:
次に,生きて行くために必要な能力,すなわち「生き抜く力」を育む教育についてお伺いします。

少子高齢化社会という社会構造の変化で,一人っ子や核家族の家庭環境の中にあって,子どもたちの人間関係を形成する能力は大変低くなっているのではないでしょうか。
学校生活にあっても,人間関係のもつれから不登校等になる子どもも増えています。
子どもたちの置かれた生活環境は様々ですが,子どもたちの心は,どんな大変な環境でもとても純粋です。
自分が関わっていくことで,人に喜んでもらったり,人の役に立っているという自己肯定感,「ありがとう」という言葉のシャワーは子どもたちの心を豊かにし,自信を持たせます。
そういった観点から,例えば,高齢者や障がい者の施設,保育園等への訪問やボランティア活動をもっと学校教育に取り入れるべきではないでしょうか。
行動してこそ,心は育ってくると思うからです。
子どもも,年代の違う様々な人との交流は,自分の過去や未来を考えるきっかけになり,現実の自分を違う側面でみるきっかけにもなります。

こういった人間関係の形成に関する教育以外にも,例えば,
・薬物依存の回復者から断る力を学ぶ
・がんに関する教育から,自分の身体を守ることを学ぶ
・デートDV防止について活動している人から人との関わり方を学ぶ
など,自分自身を守るというのはどういうことか,人を大切にするとはどういうことか,ということを,体験者等から生の声を聞く機会を設けることで,社会を「生き抜く」上で基本となることを学べるのではないかと思います。
こうした取組は,まさに,「生きる」という字の「生教育」であります。

家庭教育が基本であることは,いうまでもありませんが,このようなボランティア活動へ積極的に参加させること,又,事例であげた健康保健教育等は,子どもたちへの「生教育」すなわち「ライフスキル」の教育として,とても大切なことだと思います。
是非,積極的に展開していただきたいと考えますが教育長の御所見をお伺いします。

答:(教育長)
 変化の激しい現代社会をたくましく生き抜いていくためには,様々な体験を通して,子どもたちに,応用力やコミュニケーション能力,自律心,協調性など様々な資質・能力を育むことが必要であります。
 そのため,学校では,特別活動の時間に,災害救護活動やデートDVの未然防止などに取り組んでおられる方から実際に話を聞き,「自分も他人も共に大切にする」ことについて学ばせるなどの取組を行っております。
 教育委員会といたしましても,来年度予算で新たに,小学校5年生を対象とし,体験先の地域の方との交流やボランティア活動を取り入れた「『山・海・島』体験活動推進事業」を実施する費用を計上したところでございます。
 また,今年度から作成に取り組んでいる,道徳の教材開発の手引や授業展開の事例集では,児童生徒に生き方を考えさせるため,伝統文化の継承や環境保護など地域で活躍している方から話を伺う場面も取り入れるよう計画しているところでございます。
 今後ともこれらの取組を通じて,様々な人々から学ぶ機会を充実させ,児童生徒が社会をたくましく生き抜くための力の育成を図って参ります。

4 一人暮らしの女性の安全対策について

問:
最後に,一人暮らしの女性の安全対策についてお伺いします。
 昨年起きた千葉大学女子学生殺傷事件に続き,北広島町の臥龍山での死体遺棄事件は,大変ショッキングな事件として連日報道も繰り返されました。
 被害に遭われた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げたいと思います。
 又,未来ある若い人の,夢や希望を奪った犯人は,絶対に許すことができません。
 一日も早い犯人の逮捕を望むものです。
 事件の被害者の共通点は,一人暮らしの女性ということでした。
 こうしたことは,同じ状況にある女性や,その保護者にとっては大変な脅威であると思います。
 また,警察庁の統計によると,昨年上半期における犯罪被害者の3人に1人が女性で,年代別では20歳代以下が最も多くなっています。
 まもなく,大学入学や就職が決まった学生,新社会人が,新たに一人暮らしを始める時期になります。
 自分で自分の身を守ることは,当然のことではありますが,なかなか,そうしたことを学んだり,注意を喚起される機会がないのも現実です。
 高校卒業時や,大学の新入生受け入れ時,企業の新入社員教育時,更にはマンション,アパート等を借りる際の不動産業者との契約時などをとらえて,若い人たちに,こうした機会をつくっていただきたいと思います。
 そこで,犯人の逮捕に全力をあげていただくのは当然のこととして,今後,二度と同様な事件が起こらないよう,女性の安全対策,特に,一人暮らしの若い女性の安全を確保するための取組について警察本部長にお伺いします。

答:(警察本部長)
島根県立大学女子学生被害の死体遺棄事件につきましては,事件の早期解決に向けて,鋭意,捜査を展開しているところでございます。
 女性の安全対策につきましては,県警察では,これまで,「女性安全ステーション」の設置,「子ども女性安全安心対策室」の新設など,対応を図って参りました。
 また,この事件を受け,昨年12月,県内28大学に対して,学生の安全確保対策の強化を要請したほか,警察官を派遣し,今春,卒業や進学,さらには就職する女性を対象とした防犯講習会を実施しているところでございます。
 今後は,住まいの防犯対策について,特に一人暮らしの女性を重点に,不動産業界と連携し,安全性の高い住宅の推奨や,住宅情報誌に「女性の住まいの安全情報」を掲載するなど,自主防犯意識を高めるための情報を発信して参ります。
 さらに,通勤・通学経路や,その周辺における防犯環境を改善するため,市町を始めとした関係行政機関,企業と連携し,防犯灯・防犯カメラの整備等を促進するとともに,街頭警察活動を強化するなど,幅広い視点からの対策を,積極的に推進して参りたいと考えております。
おわりに

 今後,時代は,確実に高齢者や身体の不自由な方も増え,更に,社会進出する女性も増えてきます。
 そうした中にあっても,一人一人が生活の質を落とさずに,周囲の支えによって安心して安全に暮らしていける社会の構築こそ私たちの願いです。
 多様性を尊重し,あらゆる場面で一番大変な人たちに思いを馳せながら,常に生活者の視点で広島県の施策が進められますよう期待して私の質問を終わります。
 ご静聴ありがとうございました。