2007年3月9日        

次世代育成対策特別委員会調査報告書
(特別委員会としての成果)

本委員会は平成17年7月1日に設置され、日下美香が委員長に就任。以来1年8ヶ月、同委員会の皆さんや県職員の方々に支えられながら、女性の視点、母親の視点を大切に奮闘してまいりました。成果がまとまりましたので報告致します。

@知事を本部長とした「広島県次世代育成支援対策推進本部」の設置

A次世代育成支援の専任組織である「参与」及び
「こども夢プラン推進室」の新設

B県と経済団体等による
「こども未来づくり・ひろしま応援隊」の結成

C同応援隊を実施主体とした
「子育て応援イクちゃんサービス」の開始

D仕事と家庭の
「両立支援企業応援コーナー」の設置

E
「仕事と家庭の両立支援企業登録制度」の創設

F
子どもの犯罪被害防止に向けたプロジェクトチームの設置とその取組み等による子どもの犯罪被害の減少

G
「若者交流館」の開設など

次世代育成対策特別委員会調査報告書

○付託事件

一、子育て環境対策調査の件

二、子どもの健全育成対策調査の件

三、子どもの自立支援対策調査の件

右の件につき調査の経遇並びに結果を別紙のとおり報告する。

平成十九年三月九日

次世代育成対策特別委員会

     委員長 日下美香

 

広島県議会議長 新田篤実殿

 

 

調査経過の概要

本委員会は、平成十七年七月一日に設置されて以来、七回にわたり委員会を開催し、付託された事件に関する諸問題について、関係当局から詳細な説明を聴取するとともに、参考人からの意見噺取「さらには、秋田県、福井県及び石川県における子育て支援策や不登校泥童生徒への支援に係る取組みなどについて、現地調査を行うなど、・付託事件に関し幅広い観点から、間題点の把握と対応策について、鋭意調査に努めてきたところである。

調査に当たっては、本県においても、少子化の流れに歯止めがかからない中、子育てに夢を持ち、次代を担う子どもたちを健やかに生み育てられるようにすることが、・ますます重要になっており、子育て環境の整備は、社会全体で緊急に取組むべき課題であること、また、少子化.・核家族化などを背景に、家庭・地域の教育力の低下が指摘される中、地域の子どもを守り育てるためには、家庭・地域・学校が一体となり、青少年の健全育成や社会規範醸成のための取組みが必要であること、さらには、子どもは次代の親になるものとの認識のもとに、豊かな人間性を形成し、経済的にも自立して家庭を持つことができるよう、青少年の自立支援の取組みを進めることが必要であることなどについて活発な議論が展開されたところである。

これらの成果として、知事を本部長とした「広島県次世代育成支援対策推進本部」並びに次世代育成支援の専任組織である「参与」及び「こども夢プラン推進室」の新設、県と経済団体等による「こども未来づくり・ひろしま応援隊」の結成と同応援隊を実施主体とした「子育て応援イクちゃんサービス」の開始、「両立支援企業応援コーナー」の設置、「仕事と家庭の両立支援企業登録制度」の創設、子どもの犯罪被害防止に向けたプロジェクトチームの設置とその取組み等による子どもの犯罪被害の減少、「若者交流館」の開設などの具体的な成果が得られ、本委員会は関係施策の推進に大きく寄与したところである。

しかしながら、本県の合計特殊出生率は依然として低水準にあり、少子化の流れを変えることができていない状況である、また、ひきこもりやニート、フリーター、不登校、児童虐待など、青少年を取り巻く課題は依然として多く残されており、今後、関係者の各般にわたる積極的な対応を望むとともに、付託事件に対し、次のとおり主な調査結果の概要を付記し、本委員会の調査経遇の報告とする。

 

(付記)

主な調査結果の概要

一、子育て環壌対策

1.総合的な次世代育成支援対策の推進

急速な少子化の進行に歯止めをかけるため、国及び地方公共団体はもとより、地域杜会全体による一層の次世代育成支援対策が求められている。広域自治体である県としても、県の次世代育成支援計画である「未来に輝くこども夢プラン」の行動目標の着実な達成とともに、地域の実情を踏まえた実効性のある取組みの推進に努める必要がある。

2.子育てしながら安心して働ける環窺づくり

女性の杜会進出の進展に伴い、男女がともに子育てをしながら安心して働ける環境づくりの推進が求められている。特に、中小企業も含めた企業における仕事と子育ての両立できる環境づくりや、企業による次世代育成支援に関する地域貢献の取組みの促進を図ることが重要である。

こうした中で、県内の経済団体と県で組織された「こども未来づくり・ひろしま応援隊」を実施主体として開姶された「子育て応援イクちゃんサービス」.の充実と定着に努める必要がある。

3.安心して子どもを生み育てられる環境づくり

産科・小児科の厳しい勤務実態や平成十六年度から始まった新たな臨床研修制度の影響などにより、産科医・小児科医の減少が間題となっており、特に中山間地域での産科医不足は深刻な状況である。

県内のどの地域においても、安心して子どもを生み育てられるよう、産科の医療体制の確保対策について、国・中国地方各県・市町及び広島大学とも十分連携を図り、積極的な取組みを推進することが必.要である。

4.児童虐待防止対策の充実

行政をはじめとした関係機関の努力にもかかわらず、悲惨な児童虐待事件が後を絶たない。児童虐待は、子どもの心身の発達及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、虐待を経験した者が親になったときに虐待を再現してしまうという世代問連鎖を引き起こすと言われている。

虐待を防止し、すべて.の児童の健全な心身の成長を促していくために、市町における関係者のネットワーク組織の運営強化や住民に最も身近な市町担当職員等の資質向上に関する支援など、児童虐待に対する相談支援体制の充実に努める必要がある。

二、子どもの健全育成対策

1.住民参加型の子どもの安全を守る取組みの充実・定着

平成十七年十一月の広島市安芸区の女子児童殺害事件をはじめとして、子ども於被害者となる凶悪犯罪が全国的にも多発している中、県では、「減らそう犯罪」県民総ぐるみ運動に取り組むとともに、知事部局、教育委員会、警察本部から成る「子どもの犯罪被害防止対策プロジェクトチーム」を組織し、子どもの安全な環境づくりを推進しており、地元大学生ボランティアによる「地域安全マップづくり」を支援するネットワーク組織の発足など、地域全体で子どもを見守る取組みは着実に広がりを見せている。

今後とも、家庭・地域・学校が連携した子どもの安全を守る活動をさらに拡大・充実するとともに、地域の自主的な活動の維持・継続には多くの努力を要することを踏まえ、県内の各地域に定着するよう引続き努める必要がある。

2.不登校児童生徒の支援体制の充実

本県の不登校児童生徒の割合は、減少傾向にあるものの、俵然として全国平均を上回っている状況である。義務教育の段階から基礎学力、杜会性等を学ぶことができなかった場合、将来、社会人として自立することが困難となることも予想されることから、学校へ配置されているスクールカウンセラーや家庭訪間指導支援員などを積極的に活用するとともに、家庭、地域の関係機関等と連携した学校復帰への取組みを行うなど、不登校児童生徒への効果的な支援が必要である。

3.いじめの根絶に向けた取組みの徹底

昨年、北海道、福岡県、岐阜県で、いじめを原因として、児童生徒が自らの命を絶つという、決してあってはならない事件が相次いで発生した。これらの事件では、子どもを守るべき学校・教職員の認識や対応に問題があったことが指摘されている。

いじめ自体は、どこの学校においても、どの子にも起こり得るという認識に立ち、子どもの発信するサインを見逃すことのないよう教職員が子どもの状況を常に把握し、その情報を教職員の間で共有するとともに、いじめの根絶に向けて、学校だけでなく、家庭や地域とも連携しながら取組みを推進する必要がある。

4.家庭・地域の教育力向上と社会規範意識の醸成

少子化・核家族化、社会の成熟化の進展とともに、家庭・地域の教育力が低下し、子どもたちの社会性の低下や規範意識の希薄化などが懸念されている。

また、こうしたことを背景に、昨年改正された教育基本法においても、家庭教育や学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力に関する規定が新たに設けられたところである。

心身ともに健やかな子どもの育成を図るため、家庭・地域における教育を支援する取組みの充実及び学校における道徳教育の充実などを通して子どもの社会規範意識を醸成することが必要である。

 

三、子どもの自立支援対策.

1.キャリア教育と若年者の就業支援対策の充実

職業観の多様化や企業の即戦力志向を反映して、フリーターやニートの間題が顕在化しており、若者の早期離職率の高さも間題となっている。

さらに、中学校卒業後の進路未決定者に対する支援の充実も課題となっている。

こうした若者が経済的に自立することが困難な状況は、結婚や子どもを持つことをためらう原因ともなっており、少子化の進行にも影響を与えている。

子どもたちに働くことの意義や職業についての理解を深めさせ、将来、職業を持つ社会人として自立していくために必要な意欲・態度や能力を育成するキャリア教育のさらなる充実とともに、若年者の職業的自立に向けた職業訓練及び就業に関する相談・支援体制の充実が必要である。

2.青少年の自立心の醸成

急速に少子化が進行する中、子どもたちは、気心の知れた同質的集団の中で、比較的定型的な生活を受動的に送りがちであり、社会性の低下とともに、自已肯定感や将来の夢や希望が持てない子どもの増加が指摘されている。

次代を担う子どもたちや若者が、将来、社会人として活躍するためには、自ら考え、自ら人生の目標に向かって挑戦する意欲と実践力を、市町や民間団体などとも連携し、育成することが必要である。

3.総合的なひきこもり対策の推進

様々な要因により杜会的な活動の場が狭まり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期間にわたり失われている、いわゆる「ひきこもり」の若者が増加している。

ひきこもりの要因・状態は多様であり、杜会参加・自立に向けて、医療機関、教育機関、雇用関係機関、民問団体などと連携した部局横断的かつ総合的なひきこもり対策の推進に努める必要がある。

 

処理報告項目                       〔次世代育成対策特別委員会〕

番号 項目 内容
次-1 子育てしながら安心して働ける環境づくり 中小企業も含めた企業における仕事と子育ての両立できる環境づくりや、企業による次世代育成の支援に関する地域貢献取り組みの促進に努めること。
次-2
安心して子どもを生み育てられる環境づくり 県内どの地域においても、安心して子どもを生み育てることができるよう、産科の医療体制の確保について、国・中国地方各県・市町及び広島大学とも十分連携を図り、積極的な取り組みを推進することが必要であること。
次-3 家庭・地域の教育力の向上と社会規範意識の醸成 心身とも健やかな子どもの育成を図るため、家庭・地域における教育を支援する取り組みの充実及び学校における道徳教育の充実などを通じて子どもの社会規範意識を醸成することが必要であること。