少子社会・青少年育成対策特別委員会での質疑
《平成17年6月3日》
子どもの安全対策に向けて
県の公用車への「子ども110番」の掲示を求める

○質疑(日下委員)きょうは総括ということでございますので、何点か質問させていただきたいと思います。
その前に、先ほど副委員長の方から禁煙の御提案、また中村委員の方からクールビズの御提案がございまして、私にとりましては2つとも大変うれしい提案でございました。この夏、私たち女性がひざかけが必要とならないような温度になりますように、またきょうだけのパフォーマンスになりませんように、ここの関係者の皆様が持続可能な社会への意識変革、私たちができることを大人からしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、質問に入ります。資料番号5番の子どもの安全な環境づくり緊急プロジェクト事業につきまして、この中の取り組みの概要のところで、地域で子供を守る環境づくりというのがございます。これは文教委員会でも同じペーパーが出てまいりまして、そのときにもお尋ねをしたのですけれども、事業者の子供の安全対策への参画ということで、子どもl10番の家(車)等というふうに書いてございます。この車のところで、県の公用車もぜひマグネット式でも何でもいいので、地域の犯罪抑止のために使うべきではないかという提案をさせていただきましたが、その後、何か検討されていることがございましたら教えてください。
○答弁(子どもの犯罪被害防止対策室長)その件につきましては、現在、事業者の方たちが既に取り組んでいただいておりますので、県としてもこのプロジェクトを実施していくために、県の職員みずから、県みずからが先頭に立って実施をできないかということで、現在、検討しております。教育委員会、知事部局、警察本部が何らかの形で連携ができないかということも検討しております。
○質疑(日下委員)地域での子どもl10番、子供の安全ということは非常に意識が高まってきておりますので、やはり県みずからが襟を正しながら先頭に立って、子供を守っていくという姿勢が非常に大事になってくると思いますので、どうかその検討を前向きに進めていただきますようよろしくお願いいたします。

医師確保の推進について

それから次に、少子化の進行がとどまる兆しが見えない状況にありまして、丈夫な子供を産み、健康に育てるということは、親のみならず、我々大人全体の願いでございます。子供を産みたいけど今のままでは産めないという人に対しては、子供が生まれ育ちやすい環境を示していく必要があると思います。しかしながら、その入り口のところで、近年、中山問地域を中心として、産科や小児科の医師不足が広がっております。これは本県も例外ではなく、例えば、庄原市では、市内に出産可能な医療機関がない状態が続いております。こうした状況から、県は急遼、本年の主要事業に関する提案において、産科医及び小児科医の計画的な育成確保を国に要望したところでございます。確かにこの問題には、医師への臨床研修の義務化などの構造的な背景があり、県のみの取り組みでは非常に難しい点があることも承知しております。それだけに、今後とも機会をとらえ、こうした国への要望をぜひとも持続してほしいと考えるものでありますが、県としてどのように取り組もうとしておられるのか、また、要望に当たっては具体的な施策等の提案も必要と考えますが、その点についてはどのように認識しておられますか、お伺いしたいと思います。
○答弁(医療対策室長)産科につきましては、この数年の問に県内の公的病院を中心に幾つかの事業主体において分娩の取り扱いが休止されております。また、他県においても同様の状況にございます。さらに小児科につきましても、夜間を中心にいたしまして、救急医療の確保に当たって、依然厳しい状況にあると認識いたしております。
このため、先般、米子市で開催されました中国地方知事会においても、産婦人科等の医師不足問題が取り上げられまして、今後、知事会として国に対し、実効性のある制度の構築を求めることとしております。
また、本県におきましても、国に対する平成18年度主要事業に関する提案といたしまして、これまでにも提案してきました小児救急医療体制の充実に加え、産科医の計画的な育成確保について、抜本的な対策が講じられるよう、関係省庁を初め、地元選出国会議員に対し、要望を行ったところでございます。
今後の要望に当たりましては、国でなければ対応できないような制度的な課題、例えば医師の確保が困難な中山間地域の医療機関や産科、小児科等の特定診療科に対する診療報酬上のあり方の問題、中山間地域に所在する病院に対する医療法に定める医師配置標準のあり方の問題、さらには診療科のあり方、あるいは地域間で医師の偏在の緩和を図れるような大学教育カリキュラムのあり方の問題などにつきまして、具体的に提案をしていく必要があると考えております。
いずれにいたしましても、知事会を初め、あらゆる機会をとらえまして、地域において必要な事業の確保対策につきまして、国に要望してまいりたいと考えております。

○質疑(日下委員)国への要望はぜひともお願いをしたいと思います。そしてまた、県としてまた何ができるかということもぜひとも考えていただきたいと思います。
新聞報道によれば、隣県の島根県では、医師を県職員として雇用することで身分保障を行い、都市部の大病院と地域の中小病院との勤務を組み合わせることで医師を確保する制度を昨年度から実施したほか、一定期間の特定地域への勤務を条件とする就学支援制度を県レベルで創設するなどの動きが全国的に広がっているなど、各県とも医師不足に向けた具体的な動きを既に始めておられます。本県でも医師の無料紹介事業を行う広島県医師協同組合と関係機関との連携による広島県中山間地域医療人材バンクや、県立広島病院に設置されております地域医療支援センターなどの事業がありますが、こうした事業の積極的な活用を図るなど、医師の確保に向け、具体的な動きを早急に進める必要があるのではないでしょうか。医師の確保に向けた具体的な取り組みについてどのように考えますか、お伺いしたいと思います。
○答弁(医療対策室長)現在、県におきましては県医師会、地元の広島大学、あるいは僻地の公的病院の関係者の方々の参加を得まして、広島県地域保健対策協議会の場を活用して、医師確保など地域における医療確保のための方策について、鋭意、協議を重ねていただいているところでございます。
このうち、委員御指摘のございました中山間地域医療人材バンクにつきましては、平成10年に広島県医師協同組合に設置したものでございますが、現在の深刻な医師不足に対応しまして、利用者の拡大に力を入れることといたしております。具体的には、インターネットやさまざまな広報媒体を利用して普及啓発を図っていく。あるいは、大学、自治体病院等の医療機関に対し、きめ細かな情報提供活動を行うことによって、この人材バンクの存在をPRし、少しでもバンクに登録していただける医師を増やすような方法について検討いたしているところでございます。
次に、平成8年に広島県立病院に設置いたしました地域医療支援センターにつきましては、もともとこのセンターは、自治医科大学の卒業医師を、一定のローテーションで中山間地域の病院や診療所、僻地の診療所に配置させることによりまして、これらの地域の医師確保を図ってきたものでございまして、一定の成果を上げているものと考えております。このため、地域医療センターを拡充しまして、他大学の出身の医師もできるだけ多くして参加いただけるような、魅力的な医師配置システムのあり方であるとか、さらには若手医師が中山間地域でも生きがいを持って働くことのできる勤務条件等のあり方などについて、検討を行っていただいているところでございます。
今後とも他県の実践例等を参考にいたしながら、さまざまな角度から検討を加え、実施可能なものから順次、具体的な対策を講じてまいりたいと考えております。

里親制度の推進について

○質疑(日下委員)子供が生まれ育ちやすい社会を目指して、県民の安全確保のため、ぜひとも県としても積極的な取り組みが必要であると思いますので、一層の努力をよろしくお願いしたいと思います。
それから、次に里親制度の推進についてでございます。先ほど児童虐待の説明の中で、里親制度のお話も出てまいりましたが、この里親制度につきましては、広島県ではなかなか進んでないのが実態でございます。現在、何らかの事情で自分の家庭で暮らすことができない要保護児童は全国に約3万5,000人ほどいると言われております。そのうち里親に委託されている児童は約8%程度であり、実に9割以上が児童養護施設で処遇をされているのが実態でございます。しかしながら、児童の育成には、できる限り家庭的な環境の中で、愛情と正しい理解を持った人たちに養育されることが大切であり、その意味からも、この里親制度の推進は非常に大切であると考えております。
現在、広島県におきましては、里親委託率は約4.4%ということで、全国の8%に比べましたら約半分の委託率の状況でございます。国では全国平均8%を2009年までに約15%、約2倍に引き上げるということで、初めて数値目標を掲げたわけですが、広島県におきましても、17年3月に策定されました「未来に輝くこども夢プラン」では、現在の4.4%を2009年までに全国平均並みの8%に引き上げるという目標を設定しておられます。海外におきましては、脱施設化というのが進んでおりまして、アメリカ、イギリスなどでは、約9割の子供たちが里親に預けられている。オランダでは5割以上ということで、文化もいろいろな違いがあるかと思いますが、やはり施設の中でというよりも、だんだん地域に、家庭の中で育てていくというのが主流になってくるのではないかと思っております。
私はこの里親委託というのは、やはり児童相談所が中心になって取り組むべきであると考えておりますが、児童虐待相談の急増などもあって、現在、児童相談所の業務は大変多忙をきわめる状況であり、里親委託の推進に十分な体制が整備されていないのではないかと心配しております。ついては、この夢プランに掲げられました目標を達成するために、今後どのように取り組もうとしておられるのか、児童相談所における体制の整備とあわせてお答えいただきたいと思います。
○答弁(児童支援室長)里親委託が進まない要因といたしましては、里親制度そのものが十分に知られていないことでありますとか、また受け入れ可能な時期でありますとか、子供の年齢に対する里親側の希望、そして里子側のタイミングが合わないといったマッチングの難しさがあるのではないかと考えております。こういったことから、昨年9月に中央児童相談所に里親対応専門員を配置したところでございまして、里親制度の普及啓発を図りますとともに、県内全域を対象といたしました広域的なマッチングに取り組むなど、里親委託の推進に努めているところでございます。
今後とも里親月間等を活用いたしまして、里親制度の持つ意義などにつきまして、積極的に周知を図るとともに、里親に対します研修の実施でありますとか、里親対応専門員を中心とした里親からの相談への対応など、側面的な支援を行いながら、この委託率の向上に努めてまいりたいと考えております。

○質疑・要望(日下委員)この児童相談所と里親の皆さんとの連携というのが非常に大事になってくると思うのですが、川崎市では、里親会である川崎市あゆみの会と緊密に連携をして、委託率をこの5年間で約15%から25%近くにまでしたという例がございまして、ではなぜ川崎市の委託率が25%までアップしたかといいますと、やはり児童相談所と里親の会が緊密に連携をとり、里親制度をよく知っていただくということで、非常に進んだということがございます。行政の姿勢いかんによりましては、委託率というのはアップしてくると思いますので、親の都合ではなく、子供にとってどういう環境が一番いいのかということで、里親の方ともよく連携をとっていただきたいことを強く要望いたします。
また、この里親には、養育里親や短期里親など幾つかの種類がございます。とりわけ新しい制度として、専門里親というのがございます。児童虐待の増加を背景として平成14年に創設されたものであり、児童虐待等によって心身に有害な影響を受けた児童を専門に療育することを目的として設けられたものでございます。近年、児童虐待の相談件数が増加していることもあって、その役割はますます増大しているものと思いますが、本県の登録者の実態を教えていただきたいと思います。
○答弁(児童支援室長)専門里親につきましては、平成15年度に1名の方が初めて専門里親になられました。16年度に5名の方が登録していただいておりまして、現在、県内には6名の専門里親がいらっしゃいます。さらに本年度につきましては、3名の方が専門里親の研修を受講されておりまして、社会福祉審議会の認定を受けまして3名の方が登録されるということでございます。それで、17年末には9名の方の専門里親が登録されるということでございます。
この専門里親の養成に当たりましては、従来からやっております専門里親研修の受講に要する経費の支援を今後とも引き続き行いまして、専門里親の確保に努めてまいりたいと考えております。

○質疑(日下委員)新聞にある県の試算が載っておりましたが、要保護児童の1人当たりの経費というのは、里親委託の場合には96万円でありますけれども、施設におきましては341万円かかっているということでございます。そうだとしましたら、里親委託の推進は児童の育成にはもちろん必要でございますが、県の負担軽減という意味でも大変意義のあることだと思っております。そういった意味からも、里親制度の推進に一層努力をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

若者の自立支援について

それから、最後でございますが、若者の自立支援につきまして質問したいと思います。若者の自立支援といった観点から、引きこもりについてお尋ねをいたします。
そもそも厚生労働省の定義によりましたら、引きこもりというのは特定の病気や障害ではなく、その状態を指す言葉であり、6ヵ月以上自宅に引きこもって会社や学校に行かず、家族以外との親密な対人関係がない状態とされております。この定義によりましたら、不登校児やいわゆる二一トと呼ばれる若者たちも、多くは引きこもりの方であり、そうした若者の増加が全国的に問題となっている状況を踏まえますと、若者の自立支援という観点から、まさにこの引きこもり対策は行政として真剣に取り組むべき課題であると考えます。しかしながら、この引きこもり状態になる要因はさまざまございまして、特にはっきりした理由や原因がわからないこともありまして、青少年の自立対策、精神保健対策、不登校児対策、二一ト対策といったさまざまな観点から多くの関係部局がこの問題にさまざまなアプローチで取り組んでいるのが実態でございます。
私は、県として関係部局が連携して統一的な対策を行っていないように思えるのでございますが、この引きこもり対策に取り組むのに当たり、関係部局が連携をして統一的な対応が行えるよう、情報交換、施設の連携、またはそういった検討を行う、例えば連絡協議会といった組織を立ち上げることを提案したいと思います。ついては、この提案につきましてどのようにお考えか、若者の自立支援ということで環境生活部の方でお答えいただきたいと思います。
○答弁(青少年室長)委員御指摘のとおり、引きこもり等の対応につきましては、関係機関による連携が非常に大切と考えております。県には部局横断的に青少年育成の基本的な事項の企画とか相互調整を行うマトリックス組織というのを設置しております。それは知事部局、教育委員会、警察本部で構成されるマトリックス組織であります青少年対策室というのを設けておりまして、引きこもり等の対策についても、本年度から青少年の育成の観点で検討を行っております。その検討の中で、引きこもり等の状態になる要因がさまざまありますので、関係者の幅広い情報交換等、連携が重要であるというような意見を踏まえまして、県の関係部局のほかに、大学やNPOなどによる情報交換の場を設けることといたしまして、近々その会議を開催する予定であります。

○質疑(日下委員)引きこもりの子供を持った親の会も活発に活動しているようですので、そういった方の声もぜひ聞いていただいて、県としてどういった支援ができるのかということを真剣に考えていただきたいと思います。
また、この引きこもりにつきましては、実情が先ほども答弁ありましたように、実態というのが十分に把握されないままに各種の対応がなされているのではないかという懸念もございます。それぞれの部局がそれなりの対応を行っていることは確かでございますが、果たして県の実態を十分に把握した上での対応なのか、甚だ疑問なところがございます。そういった意味からも実態の把握というのを十分になされて、的確な施策が打てるのだと思います。そして、この引きこもりの実情把握というものが、私はぜひ必要だと思っておりますが、この引きこもりの実情把握につきまして、どのようにお考えかお尋ねしておきたいと思います。
○答弁(青少年室長)先ほども申しましたが、引きこもり等の状態になる要因はさまざまでありまして、またプライバシーにかかわる問題でもありますので、その実態がつかめないというのが現状でございます。まずは、先ほど申し上げました関係者による情報交換会を立ち上げますので、その参加者それぞれが把握しておられる実情等を交換することによりまして、実情の把握を行っていきたいと考えております。

広島県立学園における公教育の確保について

○質疑(日下委員)広島市では、中学3年生の長期不登校児を対象にして、家の中でどういう状態であるかというのを調査したものがございました。長期不登校児の中で、家の外に出られるのか、家の中にいるのか、そういったことも含めて、どこか的を絞って調べてみるのも必要なのではないかと思います。まずはそういった情報交換会なるものを立ち上げて、お話を聞こうという姿勢でございますので、その後にまたそういったこともぜひ検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
県立広島学園におけます分級・分校の協議会が3年前から立ち上がっているとお聞きしておりますが、この話し合いの状況につきまして、きょうはちょうど児童福祉施設と教育というものがかかわってきまして、すべての子供たちが教育を受ける権利があるということを考えますと、やはり児童福祉施設の中の子供たちも教育をしっかり受けていく、そういった権利があると思います。そういった中で、県立広島学園におきましては、まだ分級・分校もできておりませんし、まだ学校教育法上の準学校教育といった教育しかなされてないようでございまして、福祉と教育関係部局とがいらっしゃるところで、ぜひ分級・分校の推進状況につきまして、どちらでも結構ですので教えていただきたいと思います。
○答弁(児童支援室長)広島学園の入所児童に対します公教育の導入でございますけれど、これにっきましては、一昨年来、具体的には昨年度に関係者、教育委員会、東広島市、広島市、福祉保健部が構成します検討会を開催しました。それで、結論から申しますと、広島学園への公教育の導入については、当面、検討課題が多いので見送るという結果になっております。と申しますのも、基本的には分級・分校にっきましては東広島市が設置主体となりますので、そこらの意見調整が十分できてなかったと思っております。
教育の実態といたしましては、先ほど先生おっしゃいました公教育に準じたものをということでございますけれども、カリキュラム的にあるいは教師の確保状況をみましても、現在のところ公教育に準じた教育がなされているというところでございます。
○要望(日下委員)この県立広島学園におけます教育の問題というのは、私は大変重要なことだと認識しております。また、この3年間、協議会を開催しながら、いろいろな課題を前に進めることができないという行政の責任も非常に大きいのではないかと思っております。つきましては、この3年間にいろいろな御協議をされたことと思いますが、その開催をされた日とどういった内容が協議されたのか、また後日ペーパーでいただければと思いますのでよろしくお願いいたします。