がん治療の体制を充実
県立広島病院に「臨床腫瘍科」を新設
化学療法専門医などを養成
抗がん剤の効果的活用へ
県担当者(右側)から県立広島病院内の「臨床腫瘍科」創設について説明を受ける県議会公明党のメンバー(左側)
抗がん剤治療などを行う「臨床腫瘍科」を新設する広島県立広島病院(広島市南区)
 がん治療体制の拡充を進めている広島県は、県立広島病院(広島市南区)に2006年度から、がん細胞の分裂・増殖を抑える抗がん剤投与などの化学療法を行う「臨床腫瘍科」を新設することにした。大学医学部付属病院など研究機関を併設していない県立病院に同診療科を持つのは全国でも珍しいケースで、関係者から治療の選択が広がると期待されている。県議会公明党は、1992年から、がんセンターの建設や化学療法の実施などを主張してきた。
 県立広島病院は昨年9月に、がん患者の在宅と施設での緩和ケアを行うセンターを開設し全国的に注目された。06年度からは新たに「臨床腫瘍科」を設け、専門医2人と看護師、薬剤師などを配置し、院内の関係各科と連携し、当面は通入院患者を対象に抗がん剤などの化学療法に取り組む。
 05年度(今年4月から)は、同診療科開設の準備として、(1)同病院の医師を国立がんセンターに派遣(2)国立がんセンターから化学療法専門医を同病院に招請――の相互医師派遣をして、同病院の専門医や看護師、薬剤師などを養成する。
 現在、がん治療法は手術、放射線治療、化学療法などがある。この中で化学療法は日本では、専門医が少なく、抗がん剤など薬剤承認がアメリカなどに比べて遅いというのが現状。抗がん剤はがん細胞の分裂・増殖を抑えるが正常細胞にもダメージを与えるなどから、後発治療といわれている。
 ところで化学療法には、治療、延命、症状緩和、臨床研究などがある。中でも悪性リンパ腫や白血病、精巣腫瘍などは完治可能で、乳がんや卵巣がん、小細胞肺がんなどは増殖を抑制、胃がんや大腸がんなどは症状緩和(国立がんセンターホームページより)などの効果があり、延命にもつながるといわれている。それだけに同病院での臨床腫瘍科の新設に患者や家族、医療関係者などから期待が寄せられている。
 がん治療体制の拡充について県議会公明党の田辺直史、浅野洋二議員らは1992年から、本会議や予算要望などで、がんセンターの建設や化学療法の実施などを要望し続けてきた。昨年12月16日の予算要望では、藤田雄山県知事から「腫瘍内科が必要と思っている。2、3年の期限付きで(腫瘍内科医を)養成したい」との確約を引き出していた。