普通会計決算特別委員会
(日下副委員長) 初めに、介護予防システムの確立についてです。介護保険制度が平成12年4月から実施され、明年見直しの時期に来ていますが、この間の特筆すべきことは、軽度の認定者が増大していることと、軽度の人ほど重度化している割合が高いという点です。これによって介護サービスの給付費も国では導入当初の約1.7倍にも膨らむと試算されています。
高齢者ができるだけ介護を必要とする状態にならずに、健康で元気に生活を送ることはだれもが願うことであり、そのことが結果として介護保険財政を末永く健全に運営していくことにもつながります。そのためにも介護予防の推進が大変重要になってくると考えます。
知事は元気な広島県ということをキーワードに施策展開しておられますが、財政が大変厳しい折、なかなか元気なという部分が見えにくい状況にあると思います。
私は、広島の元気は、健康寿命を延ばした元気な高齢者の皆様こそが、さまざまな面で知恵と力を結集して支えていくようになると考えています。健康増進、疾病予防のさらなる充実とあわせて、実効性の高い介護予防の手法を開発、評価し、広く普及させることが喫緊の課題であると思います。県民の皆様が元気に安心して老後を楽しんでいただく健康長寿社会の構築のために、介護の予防に力を入れ、県としてそうしたプロジェクトを起こし、その有効性を検証し、各市町村にも普及させるプランを策定していく必要があると思います。
元気な広島県づくりのプランとして、ぜひ介護予防システムめ確立に県として力を入れていただきたいと思いますが、福祉保健部長の所見をお伺いします。

○答弁(福祉保健部長) 高齢者が住みなれた地域で、生きがいを持って暮らすためには、要介護者の増加や重度化を防ぐことが重要であると考えています。このため県では、市町が実施する健康診査や、転倒骨折予防教室、筋力向上トレーニングなどの介護予防事業に助成するほか、入材育成や情報提供などに取り組んでいるところです。
こうした取り組みが全国的にも進められる中で、事業内容に一貫性や連続性が必要であること、また対象者の状況把握の方法、サービス結果の適切な評価やその後のフォローのあり方などの新たな課題も明らかになってきました。
このため、国においても、現在進められている介護保険制度の見直しの中で、介護予防推進を改革の柱の一つとして、介護予防システム確立のための検討が行われています。
県としては、国における介護保険制度の見直しの検討状況などを踏まえ、市町においてより効果的な介護予防事業が推進できるよう積極的に検討していきます。

○質疑(日下副委員長) 国の方からおりてくると思いますが・県としてぜひ力を入れていただきたいと思います。
次に、国際協力の推進についてお伺いします。広島県は「創り出す平和」をまずカンボジアから一歩を踏み出し、教育、保健分野を初めとして、復興支援の拠点としてのひろしまハウスの活用に至るまで、さまざまなジャンルで取り組むとしています。平成15年度はカンボジアにおいて、より詳細な現地調査を行い、この成果を踏まえて来年度以降の本格的な支援の内容を検討されていると聞いています。広島が持つ被爆からの復興経験は、大きな希望となり、世界に発信されていることは、大変すばらしい広島県ならではの施策の一つであると評価しています。
こうした中で、県は広島県らしい国際貢献協力の惟進ということで、1993年より海外技術研修員研修事業として、カンボジアから自動車技術研修員を受け入れていますが、先ごろ、この研修を受けているカンボジアの方と話をする機会がありました。
その中で、カンボジアを走る車の9割以上が日本車であり、広島での自動車整備技術は大変有益であり、まだまだその技術の習得のために広島の力を貸していただきたい旨の話がありました。一方で、幾つかの課題もあると聞きました。
この海外技術研修員研修事業についていかに評価しているのか、今後の見通しとあわせて総務企画部長にお伺いします。

○答弁(総務企画部長) カンボジアからの自動車整備技術研修員の受け入れについては、本年度はこれまでどおり技術研修員1名の受け入れを継続するとともに、新たに2名の副校長を招いて、技術学校の運営管理についての研修を行ったところです。
また、この事業が開始から10年を経過していることから、本年8月に関係職員を現地に派遣して、これまで受け入れてきた研修員の帰国後の活動状況や現地の二一ズなど、フォローアップ調査を行ったところです。
この結果、通常の技術習得については、着実に成果を上げ、高い評価を得ているものの、日進月歩する新技術への研修対応については必ずしも十分でない点も見受けられる状況です。
今後のカンボジアに係る研修事業については、これまでの調査結果をもとにした事業の評価や、カンボジアの復興支援全体についての現地二一ズなどを踏まえながら、そのあり方を検討していきたいと考えています。

○要望・質疑(日下副委員長) また、今月23日には国際協力に生かす平和教育「広島からの発信」として広島国際フォーラムを開催され、若い方も含め熱心に議論されたと伺いました。広島発の平和と教育を結びつけたその取り組みに敬意を表するものです。
明年、被爆60年目ということで、世界の科学者によるパグウォッシュ会議の広島での開催要請も来ていますが、ノーベル平和賞を受賞し世界的にも高い評価を得ているパグウォッシュ会議を広島で開催し、世界に向けて平和への思いを発信していくことは、本県の進めるひろしま平和貢献構想に沿うものであると思います。パグウォッシュ会議開催も含めて、明年の被爆60周年に向けてそうした機運をぜひ高めていただくことを要望します。
次に、次世代育成行動計画についてお伺いします。次世代育成支援対策推進法の施行によって、男女共同参画を推進し、社会全体で仕事と子育てを両立しやすい環境づくりを進めることを基本的視野に置き、次世代育成行動計画を策定することを現在進められています。301人以上の労働者を雇用する事業主は、来年度4月1日までに速やかに行動計画の策定を届け出る義務があるとされています。県庁内にも多くの女性職員が働いています。特定事業主である県庁が知事のリーダーシップのもと、女性にとって一番働きやすい職場であってい牟だきたいと思いますし、広く県内企業における推進を図っていくためにも、県として他の企業の模範となるような行動計画を策定すべきであると思いますが、現在の庁内の進捗状況とあわせて知事の所見をお伺いします。

○答弁(知事) 次世代育成支援対策は、社会全体で推進すべき課題であり、特定事業主としての県や市町は率先して取り組まなければならないと認識しています。
子育てを行っている女性が、仕事と子育てを両立させるためには、育児休業や子供の看護休暇など、子育てに関する制度の充実を図るだけではなく、男性も子育てに積極的にかかわり、女性の負担を軽減するという意識や、組織全体が子育て中の職員を支えていくという意識を醸成することが何よりも重要であると考えています。
このため、本県の特定事業主行動計画においては、まずは男女が協力して子育てを行うことができる職場環境の実現を目指して、男性職員の育児休業等の取得促進や、子育て中の職員に対する周囲の職員の支援など、管理職を初めとする職員の意識啓発に特に重点を置いた内容にしたいと考えているところです。現在この計画がより実効性のあるものとなるよう検討を重ねているところであり、今年度内には策定し、公表したいと考えています。

○質疑(日下副委員長) 女性の杜会進出が著しい中、30歳代の子育て世代の女性の労働力が大きく落ち込む傾向があります。すべての企業で、女性が子育ての負担感なく仕事に打ち込める環境であってほしいと思いますが、男性も子育て、または介護に参画できる企業の仕組みづくりはこれから欠かせない視点であると思います。301人以上の労働者を雇用する事業主の策定義務ではありますが、圧倒的に多い300人以下の企業においても、県として強力に推進していただきたいと思いますので、商工労働部長の所見をお伺いします。

○答弁(商工労働部長)仕事と子育ての両立を図るための職場環境の整備は、次世代育成支援対策を推進する上で重要な課題であると考えています。
この職場環境の整備については、できるだけ多くの企業の理解と積極的な取り組みが不可欠ですので、現在、法制度上は努力義務となっている300人以下の企業においても、行動計画の策定に努めていただきたいと考えています。
このため、本年度、300人以下の企業も対象に、広島労働局と共催で、行動計画策定の説明会を県内5カ所で開催するとともに、行動計画策定のパンフレットを県内に本社を置く企業に送付するなど、その普及・啓発に取り組んでいるところです。
今後とも、関係機関と連携して行動計画策定の促進に努めていきます。

○質疑(日下副委員長) 仕事と育児、介護とが両立できるようなさまざまな制度を持ち、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取り組みを行う企業のことをファミリー・フレンドリー企業と言いますが、厚生労働省により表彰が行われ、広島県としても、マツダ、サタケ、リョービなどの会社が優良企業として表彰を受けています。そのメリットは何なのか、商工労働部長にお伺いします。

○答弁(商工労働部長) ファミリー・フレンドリー企業の中で特に優良な企業を、厚生労働省が平成11年度から表彰しており、県内企業ではこれまで8社が受賞しています。この受賞のメリットとしては、企業のイメージアップ、あるいはそのことによる優秀な人材の確保などが期待されるところです。
県としても、ファミリー・フレンドリー企業の取り組みやメリットを、県の総合的な労働情報のネットである「わーくわくネットひろしま」や広報紙等を通じて広く紹介することにより、職場における仕事と育児・介護の両立が図られるよう努めていきます。

○要望(日下副委員長) こうした時代を先取りした企業の取り組みを県は最大限に顕彰していただき、その普及に尽力していただくことを切に願いまして質問を終わります。

《平成16年11月30日》